2016年8月27日開催 『通訳者・翻訳者への道』 アフターレポート

  • 2016.10.27 Thursday
  • 10:40

サイマル・アカデミーでは、定期的にセミナー「通訳者への道」「翻訳者への道」を開催しています。 こちらでは2016年8月27日(土)に開催された『通訳者への道』についてレポートします!今回の講師はサイマル・アカデミー通訳者養成コース講師の今井美穂子先生です。

 

今井美穂子先生_web.JPG

講師:今井美穂子(会議通訳者、サイマル・アカデミー講師)
上智大学外国語学部英語科卒。映画配給会社に勤務しながら、3年間サイマル・アカデミーの通訳者養成コースに通う。2008年秋、同時通訳科(現・会議通訳コース)修了。現在はエンターテイメント業界を中心にフリーランスの通訳者として活躍する一方、通訳者養成コース(通訳機砲よび準備コース(通訳準備)の講師として後進の指導にあたる。 

 


サイマル出身の通訳者の中で、エンターテイメント業界を中心に通訳業務をされている方は実は珍しいのですが、今回のセミナーでは今井先生が通訳者に転身する前の経歴を活かして活動するに至った経緯や、エンターテイメント業界での通訳のお話、また普段アカデミー講師として教える立場から、業界によらず通訳者に求められる勉強や姿勢など様々なお話をしていただきました。


「英語が喋れる」と「通訳ができる」は別物
セミナーの冒頭では、司会者が読み上げるご自身のプロフィールを逐次通訳していただきました。先生は幼少期に海外で暮らしていたことのある帰国子女。しかし、英語は喋れても通訳はできないということを強調していました。英語のFluencyが高い人は、「通訳っぽい」ことはできるかもしれませんが、冗長な表現になってしまうことが多く、決して「うまい通訳」とは言えないそうです。「『通訳の勉強』をしないと、要領よくまとめて訳出することはできない。通訳学校に入って天狗の鼻を折られました」と通学時代の苦い思い出を語ってくださいました。
逆に、帰国子女や留学などの海外経験がなくても、日本でコツコツ勉強して通訳者になった人は、その後もコツコツと経験を積み、優秀な通訳者になるケースも多いそうです。


通訳・翻訳の両立と、向き・不向き
今井先生は通訳業がメインですが、翻訳を頼まれることもあるそうです。ですが、全く関係のない分野というよりは「芸能」という主軸の元、翻訳業もやっています。「ビジネス通訳も文芸翻訳もやる、というようにオールラウンドで通訳・翻訳をやるのは不可能です。第一線で活躍するならどちらかに絞った方がいい」とのこと。
その中で通訳向きの人は『潔い人』『失敗を引きずらない人』『ある程度出たがりで虚栄心がある人』、翻訳向きの人は『言葉に対してこだわる人』『じっくりと物事を考えられる人』と分析されていました。

 

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“Preparation or Lack thereof makes or breaks the interpreter”
準備をしたかしないかが通訳の正否の分かれ目である。

セミナーではいかに事前準備が大事かを説く場面が多々あり、その中でも「背景知識」という言葉を多く耳にしました。映画は様々な世界をテーマに扱うため、多岐にわたり知識が豊富でないと話者の思考のフローが頭に入って来ず、直訳になってしまい、聴き手に伝わるいい通訳ができないそうです。また、知らない単語に出会ったときも背景知識を持っていると、話の前後でその単語の意味を推測することもできます。

例えば今井先生の場合、1人の監督のインタビューを通訳するのに、その監督のこれまでの作品や過去のインタビューを調べて動画があればチェックしたり、また本を執筆されている場合はなるべく目を通すようにしています。他の分野の通訳者同様、単語帳づくりも欠かせない作業です。

年間200本、週4本ペースで映画を観て、常に情報収集をしているそうで、「通訳している時間だけが通訳ではない。準備している時間も含めて通訳なので、正直遊ぶ時間はないです。」とプロ通訳者の厳しさも教えてくれました。

 

ハリウッドスターや有名な映画監督など、華やかな場面での通訳をしている今井先生。一方、仕事のためにスプラッタ系のホラー映画を観続ける日々や、日活ロマンポルノの映画を観続ける日々など、趣味の映画鑑賞では観ることのないジャンルも観なくてはいけない、などの芸能通訳者ならではのエピソードも。休み続けることなく準備に余念がないプロの熱い一面が垣間見えるセミナーでした。

 

旗 サイマル・アカデミーの通訳者養成コースについて

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2016年3月6日開催 『通訳者・翻訳者への道in大阪』 アフターレポート

  • 2016.09.26 Monday
  • 13:18

大阪校のコースリニューアルを記念した特別企画として、大阪で初めて「通訳者への道・翻訳者への道」を開催しました。第1部は、日本の会議通訳者の草分け的存在で、サイマル・アカデミー東京校で「会議通訳コース」を教えられている小松達也先生による「通訳者への道」です。

 

かつて、大阪に住んでいたことがある小松先生。
「大阪の人は東京の人よりよく話す、Talkativeな人が多い。ハッキリものを言う大阪の人の方が通訳者に向いている」というお話から、今回のセミナーは始まりました。

 

嬉しい 私はこうして通訳者になった
高校時代からアメリカの映画とジャスに魅せられた小松先生はアメリカに憧れをもち続け、大学卒業後、米・国務省で募集していたワシントン駐在の通訳者試験に合格。そして25歳の時に渡米。「アメリカに行きたかった想いが募って渡米し、その手段が通訳だった。そんなことで私の通訳人生が始まった。」とおっしゃっています。
渡米した頃は、日本がまだアメリカから経済援助を受けていた頃で、日本から来る経済人・ビジネスマンの訪問団に同行して自動車や鉄鋼などの工場視察や会議で同時通訳をする日々を送っていました。
アメリカでのプログラム終了する頃、1964年東京オリンピックが終わった後の日本では、国際会議がようやく開かれるようになり通訳の需要が増加。1965年に一緒に帰国した村松増美さん、國弘正雄さんとサイマルを立ち上げました。


四葉のクローバー 通訳の楽しみは
“the first page of history(歴史の第1ページ)”という、ジャーナリズムを指す言葉があります。「ジャーナリズムは歴史の第1ページ、ほかの人が知るより前にジャーナリストが知っている」ということを指すわけですが、「通訳者は会議に同席して通訳するので、実はジャーナリストより前に知っている!通訳者は歴史の第一線にある仕事である。」と小松先生は言います。「カッコイイ、いい案件の通訳をずっとやらせてもらい恵まれていた」と話す小松先生は、沖縄返還の日米交渉やオイルショック、日米貿易交渉、サミットなど歴史が動く場面で通訳をされてきました。

また、普通は会えない方々に会うことができるのが通訳者の面白みの一つ。ただ会うだけでなく、その人を通訳するために、その人のことをいろいろ勉強する。時には直接話す機会もあって、その人の人柄を知ることができる楽しさがあります。「佐藤栄作氏から小泉純一郎氏までの歴代の首相、米国大領領もクリントン氏まで、財界人も松下幸之助氏、ソニーの森田氏、ホンダの本田氏・・・みなさん実に面白い人だったが、普段会うことができない魅力的な方々と会い、話をする機会が持てたのも通訳者だったから」とおっしゃっていました。
また、仕事で世界を飛び回り、異文化に触れられること、サラリーマンのような縛りがなく自由な仕事であること、年齢に関係なく仕事をすることができるのも魅力の一つです。

 

★通訳者・翻訳者への道(20160306) 004.JPG


えんぴつ 通訳の技術:通訳者に求められること
「通訳は人の言うことをよく聞いて正しく理解し、その内容を分かりやすく、明瞭に、そして自然な言葉で、聞く人に伝えること」とおっしゃる小松先生は、その為に何が必要かを語ってくださいました。

まずは高い語学力。
実は英語のプロ通訳者で帰国子女は全体の25%〜30%程度。つまり、大多数は日本で英語を身につけた人たちで、それでも十分プロの通訳になれるわけです。
そのために必要なことは2つ。1つは各自が英語力不足を自覚し、プロになった後も日々英語力アップの努力を続けること。もう1つは限られた英語力を使っていかにうまく通訳できるかどうか、だそうです。
また、訳出に関して、日本語と英語の語順の違いから自然でなくてもいいという考え方もあるようですが、小松先生は「プロの通訳者であれば自然で分かりやすい表現にこだわってほしい」と普段教鞭を取られているからこそのお話もありました。

その次に重要なのが知識を付けること。
ビジネス、政治、環境、医学・・・それらの知識を持っていなければ、本当の意味で話の内容を理解することは難しくなります。身につけた知識を使って表現することが大切で「通訳者は言葉ができる知識人であり、コミュニケーション能力のある通訳者は現代に一番必要な人材」「通訳や翻訳の学習をすることで国際的知識人になれる」とおっしゃっています。

興味深かったのは、「通訳者も自分の意見を持たなければいけない。興味をもつ分野を見つけ、そこから自分の意見を形成していくとも大事である。通訳者は客観的な立場で、自分の意見を言ってはいけないが、人のことを理解し表現するためには、自分の意見・意思も必要である。」というご意見でした。これは通訳だけでなく、私たち皆に必要なことかもしれません。


その他、事前に寄せられた質問にもお答えいただきました。

 

通訳の仕事の未来は? 
日本に平和と経済成長が続く限り、日本での通訳業界の成長もゆるやかではあるが成長が続くのではないか、日本のビジネスと連動して縮小することはないと思う、と小松先生はおっしゃいます。「よく、コンピューターが通訳に替わるかという質問がありますが、人間の言葉は複雑で、表面上の言葉ではなく心を読まなければ通訳はできません。その点でコンピューターが通訳に替わることはないと考えています。」

 

日本において通訳の資格制度が必要か? 
通訳市場は自由競争市場でありクライアントが適切な評価を下してくれているので、自由競争で案外うまく機能している、と小松先生は見ています。「資格制度がないのは問題ではあるものの、それによる不自由があるわけではない。しかし、通訳は買い手市場であるため、残念ながら通訳者の地位はあまり高くない状況であるのが現状」「通訳者の地位を上げるには、通訳者が自らを正し自らをより立派な通訳者になるようにし、地位を上げていくことが必要」と考えておられるそうです。そうすれば、通訳という仕事がより魅力的なものとなり、後に続こうという人も増えるのでは、とお話しくださいました。


通訳の第一人者の話とあって、会場の皆さんはとても熱心に聞き入っていました。
また当日は、サイマルの卒業生が小松先生の話を日→英同時通訳するパフォーマンスもあり、「実際の同時通訳を聞けて勉強になった!」という方も多く見受けられたセミナーでした。

 

★通訳者・翻訳者への道(20160306) 032.JPG

同時通訳ブース


 

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2016年2月28日開催 『通訳者・翻訳者への道』 アフターレポート

  • 2016.05.20 Friday
  • 10:24

サイマル・アカデミーでは、定期的にセミナー「通訳者への道」「翻訳者への道」を開催しています。 こちらでは2016年2月28日(日)に開催された『通訳者への道』についてレポートします!

今回の「通訳者への道」セミナーの講師はサイマル・アカデミー通訳者養成コース講師の高松珠子先生です。アメリカで教育を受けた高松先生は英語が母国語となるため、今回はすべて英語で行なわれました。

高松先生(サイズ調整済).png講師:高松 珠子(会議通訳者、サイマル・アカデミー講師)
オーバリン大学卒業後、 クラシック音楽関係の米系企業の日本駐在などを経て、フリーランス通訳者に。 日本外国特派員協会の記者会見通訳を多数担当している。


セミナーは、先生が一方的にお話されるのではなく、来ていただいたみなさまから直接質問を受けて答える、という「コミュニケーション重視」のスタイル。始めはみなさん遠慮がちでしたが、次第に積極的に手が上がるようになりました。多くの質問に答えた高松先生の口からは、これから通訳・翻訳の勉強を始める方や、すでに通訳・翻訳の仕事をされている方へ向けての熱いメッセージが飛び出しました。

その中でも印象的だったのは “Know Thyself!(汝己を知れ!)”という言葉。何をやるにしても「自分のことを知ることが大切」と仰っていました。例えば、自分の強み・弱みを知ることだったり、会議通訳や通訳ガイドなど数ある通訳の種類の中で、どの通訳をしたいのかを知り、決断することも「己を知ること」だそうです。
 

高松先生_ブログ使用.jpg


また、“You have limited amount of energy and time in your life.” と時間の使い方の大切さを説く場面も。通訳案件の前に自分の知らないことを調べる際は、「案件の日から逆算して何をどこまで勉強できるか」と分析しながら、実際の現場でどのようなことが聞かれるか、どんな話が上がってくるのかを想像し、その中で自分が分からないことを優先的に勉強していくそうです。また、今後しばらく話題に上がるであろう事柄(経済や中国などの隣国のこと)については日々勉強をし、情報を更新しています。
「通訳をしてみたい分野があるのですが、どのように勉強すればいいですか。」という質問に高松先生は「興味がある分野があるのなら、まずは飛び込んでみればいい。仕事をしながら勉強するのが上達への一番の近道です。」と強く後押しする場面も見られました。

トップ通訳者とは思えないほど気さくで、いろいろな質問に熱心に答えてくれた高松先生。先生に励まされた方が多く見受けられたセミナーでした。

嬉しい 参加者の声

● 高松先生の気さくな人柄とパワー溢れるお話を聞くことができ、モチベーションを上げることができました。イメージしていた通訳者とは異なり、1つ1つの言葉からたくさんのパワーを頂けました。これから目標に向かってがんばります。ありがとうございました。
● 通訳になるにあたっての重要なエッセンスをご伝授していただきました。いろいろご回答くださり、ありがとうございました。


次回は2016年8月末ごろを予定しております。

四葉のクローバー これまでの「通訳者・翻訳者への道」アフターレポートはこちら

2015年9月6日開催 『通訳者・翻訳者への道』 アフターレポート

  • 2015.10.01 Thursday
  • 17:42
サイマル・アカデミーでは、定期的にセミナー「通訳者への道」「翻訳者への道」を開催しています。 こちらでは9/6(日)に開催された『通訳者への道』についてレポートします。

★同時開催『翻訳者への道』アフターレポートはこちら

matsusita_1.png講師:松下 佳世(会議通訳者、サイマル・アカデミー講師)
米コロンビア大学ジャーナリズム大学院修了。朝日新聞のニューヨーク特派員などを経て、サイマル・アカデミー通訳者養成コースで学ぶ。修了後、サイマル・インターナショナルの専属通訳者を経て、2014年4月からフリーランスに。2014年9月からは国際基督教大学の准教授として通訳学などを教えている。
サイマル・アカデミーインターネット講座『基礎から始める通訳トレーニング-通訳訓練法と実践演習-』講師



現在、松下さんは会議通訳者として活躍する傍ら、大学で後進の育成にも力を入れていますが、通訳者に転身する前は新聞記者でした。多忙な記者生活を続ける中、
「自分なりのスキルを身に付けることによって、会社に頼るのではなく自分の力で切り開いていきたい」
と感じるようになり、たまたま本屋で手に取った小松達也先生の『通訳の技術』という本がきっかけで、通訳者になることを決めました。

◆通学=通訳者デビューへの近道
社内通訳やフリーランスで通訳をするにもまずは経験が必要。そのためには通訳学校に通い、修了後通訳者としてエージェントに登録するのが最も効率的、と考えた松下さんは2010年4月からサイマル・アカデミーに通い始めました。

通訳学校の都市伝説?
通訳学校では、実力があっても下のクラスからスタートしたり、修了までに何年もかかるのでは?と思う方も多いと思います。しかし、松下さんは同時通訳科(現在は会議通訳機砲らスタートし、1年で修了されました。
「入学試験を受ける日のパフォーマンス次第で入るクラスが決まり、修了するまでの時間は人それぞれ。すべては自分次第です。」

通学中の予習・復習
【予習】使用教材に出てくるスピーカーのことやその他情報を出来る限り調べるので、費やす時間は授業時間の3、4倍くらいだったそうです。時間をかけることによって、自分は準備が足りなくてできないのか、通訳技術が足りなくてできないのかがよくわかるのだとか。
【復習】松下さんは授業終わりにクラスメートと自主的に勉強会をしていたそうです。その勉強会では、授業の復習だけでなく、スピーカーを決めてその人の通訳をしたり、発音をチェックしてもらったり。
自分で調べて話すと知識が定着するので、一人で黙々と勉強するより周りと協力する方がよい」とクラスメートの大切さを語っていました。
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何よりも日々の隙間時間を予習・復習などに費やし、通学をおろそかにしないことがポイント。予習ができなくて、授業中に恥をかいたらその分「悔しい、がんばろう」と思えるのも通訳者に大切な資質の1つです。

◆おすすめの通訳訓練方法
音声を聞きながら訳出をする同時通訳では、スプリットアテンション(同時に2つのことに注意を向ける)力が必要になります。音声を聞きながら、内容(幹)を取るための練習としておすすめなのでが『カウントバックワーズ』です。
〔したい音声・動画を用意(日本語でも英語でも)
音声・動画を聞きながら、それとは逆の言語で500から数を逆に数える
【例】英語のスピーチを耳で聞きながら、口で「500、499、498…」と数える

口に負荷がかかった状態で、耳で聞いた情報を後で正しくサマライズできるかどうかを見る訓練です。さらに自分のパフォーマンスを録音すると、自分が止まって音を聞こうとしていたり、きちんと数を数えられなかったりすることがよく分かるそうです。

その他に松下さんが日々実践している訓練法として、シャドーイングスピードの早い英語ニュースの英語音声を聞いて、どこまで訳してついていけるか、などを行なっています。


最後に「松下さんが思う通訳者の適性とは?」という質問に以下のように答えてくれました。
「まず、適性がないとわかったら通訳者にならないのか、自分に問いかけてください。それを乗り越えてまでやりたいのかどうかです。熱意ですべてを乗り越える方もいらっしゃいます。すべては努力次第です。

その他にもこれまで携わってきた通訳の仕事内容や、その準備方法など様々なお話をしていただきました。新しい世界に飛び込むには勇気がいりますが「熱意を持って取り組み、努力することが大切」という松下さんの言葉に背中を押された方も多かったのではないかと思います。

楽しい参加者の声
・内容の濃さもさることながら熱意にあふれたお話に感動した
・準備のコツ・練習方法等が役立ちました。全体的に、実例をたくさんあげて下さり、とても分かりやすかったです
・一番良かったと思うのは自分が通訳者になるとしたら、どんな人になり、どんな仕事と人生になるかというイメージを抱けたことです。通訳の種類、内容、取り組み方、目指す方向性への説明が分かりやすく聞けました。

ビデオ セミナーの様子はぜひ動画でご覧ください ビデオ


早送り 前回の「通訳者・翻訳者への道」(2015年2月11日開催)はこちら
旗 サイマル・アカデミーの通訳者養成コースについて
 

2015年9月6日開催 『通訳者・翻訳者への道』 アフターレポート

  • 2015.09.25 Friday
  • 19:23
サイマル・アカデミーでは、定期的にセミナー「通訳者への道」「翻訳者への道」を開催しています。
こちらでは9/6(日)に開催された『翻訳者への道』についてレポートします。

★同時開催『通訳者への道』のアフターレポートはこちら

kitajima_1.png講師:北島 由紀子(リンクトランス・サイマル登録翻訳者)
電機メーカー等への勤務を経て、2008年から2012年まで英国ロンドンに在住。ロンドンに関する公式ガイド資格を複数取得する他、大英博物館にてボランティア等を経験。帰国後、2013年4月から2014年3月までサイマル・アカデミー翻訳者養成コース(産業翻訳コース英日)を受講。コース修了後より、在宅翻訳者として翻訳に従事。



『翻訳初心者の私が翻訳者になるまで』というテーマでお話しいただいた今回の講師、北島由紀子さん。旦那さんのお仕事でロンドンへ行くまで、英語に関わる機会はなかったそうです。大英博物館のボランティアガイドや現地のオフィシャルガイドの勉強をしていくうちに英語が身についてきたことを実感。「好きな分野から入っていくとその他の英語のハードルが低くなりました。」と語っていました。
帰国後はサイマル・アカデミーの産業翻訳英日コースを受講。修了後は講師の推薦もあり、グループ会社のリンクトランス・サイマル(LTS)に登録し、翻訳者としてのキャリアをスタートしました。現在は、英日翻訳を中心に経済、環境、文化など様々なジャンルの翻訳に従事されています。

◆翻訳の仕事の流れ
翻訳の仕事は.螢機璽→∨殘(原文を読むことも含む)→チェックという作業の流れで、費やす時間の割合としては3:4:3くらいだそうです。

リサーチ量で翻訳が変わる
kitajima_2.png翻訳作業の前に行なうリサーチ。北島さんはこの作業にかなり時間を割いているそうです。「仕事を始めた頃、リサーチをせずに翻訳に取り掛かったらとても大変な目に遭ったので、面倒でもやるべきです。」
と力説するのは、この後の翻訳作業をスムーズに進めるため。業界のことをより深く知り、翻訳の質を上げていきます。
「その業界の人になったような感じに頭を切り替えます。」
依頼主の会社情報や業界をインターネットで調べたり、翻訳対象物の執筆者について調べたり、とそのリサーチは多岐に及びます。

原文を読むときのポイント
翻訳作業を始める前に各章のタイトルを追ってみるなど、全体の文章構造をまず頭に入れることがポイントだそうです。これは北島さんご自身が以前、最初から訳し始めたところ途中で文章のつじつまが合わなくなり、訳した後に全体の3分の1にものぼる文章を訳し直さざるを得なくなった…という苦い経験から得たそうです。

翻訳だけど音読?!
「声に出して読むと分かる」と様々な場面で仰っていた北島さん。翻訳者はパソコンに向かって黙々と作業するイメージだったので、個人的にとても意外でした。
「原文(英語)を声に出して読むと、文章のリズムや作者の意図などが分かるようになります。また、翻訳が完了してチェックする際も訳文(日本語)を声に出して読み、原文を読んだときの印象やニュアンスと合っているかどうかチェックします。」
分からなくなったときには音読を心がけているそうで「おすすめの翻訳法です」と語っていました。

◆学校に通うメリット
翻訳の勉強方法はいろいろありますが、サイマル・アカデミーを選んで良かった点は「いろんな人の訳をみっちりと比較して、すごく深く考えられたこと」。実際の仕事では、他人の訳文に触れる機会がなく、自分の表現が正しいかどうかも分からないことがあるそうです。「脳が疲れるけど、楽しかった。」と通学時を振り返っていました。

60分という短い時間の中で、翻訳の種類や実際の業務内容、留意点など様々な話をしていただきました。中でも「好きな分野から入っていくと、その他の英語のハードルが低くなる」という言葉は印象的で、『語学学習』と言うとつい構えてしまう部分もありますが、肩の力を抜いて好きなことを極めていくことが上達への近道なのかな、と思いました。

嬉しい参加者の声
・話が具体的で分かりやすかったです。好きな分野から勉強していくこと私もぜひやっていきたいと思います。
・自分で分からないところが明確になった。自分もすでに翻訳者としてスタートしているが、他の翻訳者の方はどうするんだろうという疑問が解決できて安心しました。
・事前調査/翻訳/見直しというプロセスを詳しく教えていただき大変ためになりました。

ビデオセミナーの様子はぜひ動画でご覧くださいビデオ


早送り 前回の「通訳者・翻訳者への道」(2015年2月11日開催)はこちら
旗 サイマル・アカデミーの翻訳者養成コースについて

2015年2月11日開催 『通訳者・翻訳者への道』 アフターレポート

  • 2015.03.11 Wednesday
  • 10:40
サイマル・アカデミーでは、定期的にセミナー「通訳者への道」「翻訳者への道」を開催しています。

今回は、サイマル・グループ50周年特別企画として、通訳の第一線で活躍中、NHK番組「プロフェッショナル仕事の流儀」でも注目を集めた長井鞠子さん、日本の会議通訳者の草分け的存在である小松達也先生、サイマル・アカデミーの人気翻訳講師Peter Durfee先生の3名を講師に、特別セミナー「通訳者・翻訳者への道」を2/11(水・祝)に開催しました。 

ここでは、第1部 長井鞠子さんによる「伝える極意に学ぶ通訳とことば」についてレポートをお届けします。
★ 第2部「通訳と翻訳の魅力」のアフターレポートはこちら ★
映画 セミナーの様子は動画で配信中!

nagai1.png<プロフィール>
長井鞠子(ながい まりこ)
サイマル・インターナショナル専属会議通訳者・顧問
先進国首脳会議(サミット)をはじめとする数々の国際会議やシンポジウムの同時通訳を担当。各国要人や各界著名人の随行や記者会見通訳も多数。通訳の内容は、政治・経済のみならず、文化・芸能、スポーツ、金融、ITほか、あらゆる分野にわたる。年間200件近い業務を請け負う。

「通訳者・翻訳者になりたい方がこんなにもたくさん来られたのは驚きです。」そんな言葉から始まった長井さんの講演。長井さんが通訳を始めた当時は、通訳者=職業という認識はあまりなく、時代の流れに乗って成り行きで通訳者を始めたいわば『時代の産物』だそうです。
1964年に開催された東京オリンピックでのアルバイト(当時はボランティアという概念がなかった)を通じて通訳者としてのキャリアをスタートし、2020年東京オリンピック招致団の通訳者としても活躍した長井さんは2つのオリンピックに関わった通訳者として注目されています。その長い通訳人生の原動力は「通訳は人と人をつなぐ楽しい仕事。本来話が通じない人たちの間に私(通訳)が入ることでコミュニケーションが成立する」ということを実感した経験からだそうです。

◆通訳の仕事の醍醐味
nagai2.png「いま、時代が、世界がどんな方向に向かっているのか、波頭に自分が立って最先端の話題を自分の口で語っていると感じる。その時々で一番話題になっていることを最先端の方が語るそばで通訳する。」それが通訳者の醍醐味と仰っています。
そのエピソードは冷戦終結の時代に遡り「ロンドンでのサミットで、当時のゴルバチョフ大統領がゲストとしてサッチャー首相に呼ばれて入ってきました。柔和な表情を湛え笑顔で入ってきて、世界の7カ国のリーダーと一緒になったその瞬間を通訳ブースのガラス越しで見たとき、「冷戦は今終わったな」と感じました。」
時代や世界の流れと共に仕事をしてきた長井さんならではのエピソードだと感じるお話ですが、「精進していれば、人と人をつなぎながら時代の波頭に立ち、サーフィンしながら進んでいける世界が開けてくる」と、通訳者を志すみなさんへメッセージを送ってくださいました。

今回のセミナーでは、事前に参加者の皆さんから講師への質問をお寄せいただき、皆さんの関心の高いトピックを語っていただきました。

◆通訳者に向いている資質
1.  語ること、表現することにパッションがある人。良い意味でおしゃべりな人。
2.  勉強・準備を厭わない人
しっかりと勉強や準備をすることによって、良い結果(仕事)につながっていく。
3.  おせっかい、世話焼きな性格の人
4.  一を聞いて十を知るような、要領の良さ
例えば大量の資料から大事なところを抜き出せるかどうかが問われます。
5.  好奇心旺盛な人
通訳者は日々違うジャンルの仕事をするので、毎日勉強する内容が異なります。
6.  人間に対する興味
「何で人間はこういうことをするのだろう?こんなことを考えのだろう?」と、人・文化・国によって異なる考え方への興味は通訳者にとって大切。
7.  落ち込まない引きずらない、楽観的な人
一度発した言葉は取り返せないので、ずっと引きずっているとなかなか道は開けない。
8.  若干の自己顕示欲
堂々とスピーチをしている話者の通訳は、堂々としていないと伝わらない。「私の言うことを聞いて」という気持ちが大切。

◆モチベーションの保ち方
今いる世界から少し違う世界に趣味を見つけること。そうするとねじれた脳内がいつの間にかほどけて、ストレスから解放されているそうです。長井さんはオーケストラでビオラを演奏されていて、仕事だけに集中しないことがポイントと語っていました。

nagai3.png◆長井さんと読書
今回のセミナーでは読書という言葉を多く耳にしました。長井さん曰く、日本語力の向上にも知識・通訳スキルの向上にも読書は欠かせないそうです。フィクションでも論文でもとにかく自分の興味関心がある本を読むことで、語彙力や表現力が身についてくる。例えば長井さんは日々、目の前に情景が広がるような通訳を心がけて、そのためにも読書を通じて情景描写や想像力を鍛えているそうです。


日々好奇心を持って、いろいろなことに目を向け、そして読書などを通じて知識を深める。通訳者・翻訳者をめざしている人だけでなく、どんな職業の人にも通じる「人生をより豊かにする方法」だなと感じました。

その他会場内から「長いポーションはいかに訳すのか?」「通訳者として気を付けていることは?」など様々な質問が上がりました。その答えはぜひ動画の完全版でご確認ください!

旗 長井さんの著書『伝える極意』(集英社新書) 好評発売中!
旗 長井さんの特別メッセージはこちら
旗 通訳者になりたい方はぜひサイマル・アカデミーへ!
 

2015年2月11日開催 『通訳者・翻訳者への道』 アフターレポート

  • 2015.03.11 Wednesday
  • 10:39

サイマル・アカデミーでは、定期的にセミナー「通訳者への道」「翻訳者への道」を開催しています。
こちらでは2/11(水・祝)に開催された「通訳者・翻訳者への道」の第2部『通訳と翻訳の魅力』についてレポートをお届けします。
★ 第1部 長井鞠子さんによる「伝える極意に学ぶ通訳とことば」のレポートはこちら 
映画 セミナーの様子は動画で配信中!

tkp1.png第2部は、通訳業界の第一人者である小松達也先生・プロの日英翻訳者として経験豊かなPeter Durfee先生の対談です。注目は、対談の内容を日英・英日の同時通訳で聞けること。会場前方に同時通訳ブースが設置され、長井鞠子さんとサイマル卒業生の中村麻里さんが通訳する様子を見ることができました。私も参加者の皆さんも、めったに見られない通訳ブース、そして同時通訳に興味津々でした。

tk.png <プロフィール>
小松 達也(こまつ たつや)
サイマル・インターナショナル専属会議通訳者・顧問、サイマル・アカデミー通訳者養成コース講師
1960年より日本生産性本部駐米通訳員を経て、1965年まで米国国務省言語課勤務。わが国の同時通訳者の草分けとして、G8サミットなど数多くの国際会議で活躍。2008年9月より国際教養大学特任教授。


peter.png<プロフィール>
Peter Durfee
翻訳者、サイマル・アカデミー翻訳者養成コース(日英)講師
高校時代を日本で過ごす。米カリフォルニア大学バークレー校で日本語を専攻。1996年に海外向け刊行物を扱う出版社に入社。政府発行誌や民間企業広報誌などの翻訳を担当。現在は一般財団法人ニッポンドットコムの理事として、ウェブサイト「nippon.com」の英文編集に従事。サイマル・アカデミーでは10数年の指導歴を持ち、翻訳者養成コース(日英)のコースコーディネーターとして活躍。担当クラスはいつも満席の人気講師。

このレポートでは、主に日英翻訳者の資質やその魅力についてのお話をご紹介していきます。

◆翻訳者の資質とは?
tkp2.png通訳と同様に情報を伝えたいという情熱は欠かせませんが、通訳者の資質として長井さんが挙げていた“おしゃべり好きな人”である必要はありません。瞬発力が求められる通訳とは異なり、ひとつの単語に対して何時間でも推敲し、様々なアプローチで調べ、ふさわしい表現を選んでいきます。時間があるぶんじっくり取り組めますが、重要なのは、訳したものが紙やウェブサイトに形として残ってしまうこと。一度世に出したら簡単に消すことができません。Peter先生も、プロ翻訳者として強く意識している点だそうです。

◆日英翻訳者に必要な英語力とは?
peter2.png単語そのものに執着せず、全体のリズムやトーン、言わんとするメッセージをきちんと汲み取ってほしいですね。そうすれば自然な英文ができ上がります。」そんなPeter先生から面白いお話が。東京大学で教鞭をとっていた夏目漱石が、英語の授業で“I love you.”を訳させたというエピソードです。「我は汝を愛す」と言う生徒達に対して漱石が示した訳は『月がとっても青いなぁ』。 ・・・なるほど、川辺に二人寄り添って夜空を見上げる恋人が目の前に浮かびます。
「これがまさに翻訳なんです。単語から離れて、文章全体の意図を伝えること。英語・日本語、どちらで読んでも同じインパクトを読者に与える翻訳が良いですね。」という言葉に、翻訳の面白さと奥深さを感じました。

◆翻訳者として、英語力を伸ばすポイントは?
通訳と同じですが、スポンジのような心で何でも吸収し、ひとつの言葉に対して様々な情報を調べるという好奇心。そして、読書をすること。「読書といっても、小説だけではなくエッセイ、企業レポート、ビジネス雑誌などあらゆる文章を読むことです。それぞれ違ったボキャブラリーや文章、パラグラフが使われているので、読むことを通してライティングの様式などを身につけてください。」そんな先生自身も、別の人が書いた企業レポートなど様々な文章を見て常に参考にしているそうです。
 
◆翻訳を学び始める年齢について
tk2.png翻訳者に求められるのは、高い語学力と専門知識です。例えば10年以上医者として勤めた後に、医薬翻訳を始めた人もいるそう。「自分の得意分野をもち、高い語学力をもった翻訳者なら、年齢に関係なく活躍できると思います。」とPeter先生。サイマルで翻訳を学ぶ受講生の年齢も30代〜60代と幅広く、専門的な知識をもった受講生もいらっしゃいます。
小松先生からも「通訳者は柔軟性が必要。若い気持ちで学べば、40代でも遅いことはない。」という心強い一言をいただきました。


◆翻訳の将来の需要は?
翻訳ソフトが日々進化しているとはいえ、専門的な知識をもち、顧客のニーズに合うようフレキシブルに対応することはコンピューターにはできません。「質の高い翻訳の需要は減らないでしょう。将来活躍できる翻訳者になるためには、ぜひ言語のスペシャリストになってください。専門分野をもってください。そして人とコミュニケーションできる翻訳者になってほしいですね。」

nagai4.png日本語ネイティブには難しいと感じる方も多い日英翻訳ですが、この対談を通して励まされた参加者も多かったのではないでしょうか。
そしてこの対談を、まるで本人達が話しているかのように見事に同時通訳をした、長井さん・中村さんにも会場から大きな拍手が湧きました。プロ通訳者・翻訳者の話はもちろん、長井さんのベテランの技術、中村さんのレベルの高さを目の当たりにすることができ、大変中身の濃いセミナーでした。対談の内容は動画でもご覧いただけます。


♪ セミナー後に4人で記念撮影 お疲れ様でした ♪
tkp3.png


サイマル・アカデミーでは、ひとりでも多くの方がプロの通訳者・翻訳者として活躍できるよう、実践的なスキルが身につくカリキュラムや、グループ力を活かしたキャリアサポートを整えています。これから通訳者・翻訳者をめざす方、更なるスキルアップをめざす方、ぜひサイマル・アカデミーで第一歩を踏み出してみませんか?

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【東京】2015年2月11日開催 『通訳者・翻訳者への道』 アフターレポート

  • 2015.02.19 Thursday
  • 13:41
先日無料セミナー『通訳者・翻訳者への道』を開催しました。
今回はサイマル・グループ創業50周年特別企画として、第1部にサイマル・インターナショナル専属会議通訳者兼顧問でもある長井鞠子さんが登場しました。NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」にご出演以降、大変注目を集めていらっしゃる長井さん。通訳という職業について様々なことをお話いただきました。
DSCN2515.JPG
第2部では、会議通訳者の第一人者でありそしてサイマル・アカデミーでも教鞭を取っている小松達也先生、サイマル・アカデミー日英翻訳コースの人気講師Peter Durfee先生による対談をおこないました。こちらでは長井さんとサイマル・アカデミー修了生による同時通訳付きでした!(お2人にはそれぞれ日本語、英語でお話していただきました。)
DSCN2587.JPG

当日はたくさんの方にお越しいただき、とても熱いセミナーになりました楽しい

気になるセミナーの内容については別記事をご覧くださいにじ
★ 第1部「伝える極意に学ぶ通訳とことば」長井鞠子さん
★ 第2部「通訳と翻訳の魅力」小松達也先生・Peter Durfee先生

2014年9月7日開催 『通訳者への道』 アフターレポート

  • 2014.09.25 Thursday
  • 15:58
サイマル・アカデミーでは、定期的にセミナー「通訳者への道」「翻訳者への道」を開催しています。現役通訳者・翻訳者が、プロになるための学習方法や仕事の体験談などをお話しする貴重な機会です。
今回は、9月7日に実施した「通訳者への道」のレポートをお届けします
四葉のクローバー
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【実施日】2014年9月7日(日)
【講師】井戸 惠美子


【プロフィール】
青山学院大学国際政治経済学部在学中に、本校通訳者養成コースに入学し、卒業。
財団法人勤務を経て、IT企業の社内通訳者となる。
その後、フリーの会議通訳者として活躍中。本校通訳者養成コースでは、
入門科レベルコーディネーターとして中心的な役割を担いつつ、後進の指導にあたっている。
ダイナミックでエネルギッシュな教え方にファンは多い。プライベートでは二児の母親。
井戸先生が講師を務めるインターネット講座も好評配信中!
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ビデオセミナーQ&Aの様子を動画でご覧いただけます。当日の様子はこちら!ビデオ

▼レポートはこちら▼

今回は「通訳業務までに必要な準備の仕方」の事例紹介、
ということで井戸先生が実際に担当された案件で、
どのような準備が必要なのかをお話しくださいました。


ido_1.jpg 

まずはセミナー冒頭、井戸先生のこの1週間のお仕事を簡単にご紹介。

月曜  終日:官公庁案件
火曜  AM:IR 2件 / PM:官公庁案件
水曜  終日:エネルギー関連アナリストミーティング
木曜  〜昼過ぎ:エネルギー関連アナリストミーティング / 夕方:IR 1件
金曜  AM: IR 2件 / PM:官公庁案件

これを見ただけで目が回りそうなスケジュールですが、
このほかにサイマル・アカデミーで授業やミーティングが週のうち4日もあり、
先生としてもタイトな1週間だったそうです。
日々違う内容の案件で、次々来る案件の勉強時間も考えて
自分でコントロールしなくてはいけないのが通訳者の仕事。
通訳業務のほかに、
1日平均5時間程度の勉強時間も確保しているというのだから驚きです。

セミナーでは、これらの案件の中から、
[1] IR通訳での資料の集め方
[2] 具体的な資料の提供が事前にない案件の準備方法
         A. エージェント経由で何を先方に確認し、その上でいかに備えるか 
         B. 不幸にも事前情報と異なっている案件と気付いた時にどう対処するか
[3] 事前に原稿が提供あった場合のサイト・トランスレーション準備方法

についてお話しくださいました。

先生ご自身、ニュースや新聞でその分野の単語や表現を
「単語帳」にして日々積み重ねて、急遽案件が入っても対応できるように準備をされています。
それでも会議の目的や参加者が当日まで分からない中身のつかめない案件が来たときは、
「何のために」「誰がリクエストしたミーティングなのか?」を可能な限り確認し、
会議のイニシアチブを取っている側の立場から考えられる内容を予測して、
主催元で最近何か変わったことはなかったか、ウェブサイトを調べたりニュースを検索したりしながら通訳業務に臨まれます。

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今回は先生が実際に案件ごとに作成された単語帳以外に、
これまでに担当された同業界の表現を集めた単語帳もご披露くださいました。
どんな案件でも、どんなクライアントでも、何の会議か分からなくても、
出てきた情報から可能な限り内容を予測して通訳するしかないわけです。
通訳者って大変です。

このほかに、通訳メモ取りを実際にライブ映像で見せながらの
「逐次通訳のデモンストレーション」と、「サイト・トランスレーション」を披露!

逐次通訳のデモンストレーションでは、
流れてくる日本語を通訳者独特のメモにして、その後メモをもとに日→英へと通訳していきます。記号や矢印、簡単なイラストを駆使して、話者の話すスピードとほぼ同じスピードでメモができ上がっていきます。
一旦ペンを置くと、今度はそのメモをもとに逐次通訳。一見暗号のようなメモも、
どんどん分かりやすい言葉に置き換えられていきます。

また、サイト・トランスレーション実演では、
実際にその場で原稿にスラッシュを入れながら、
そのスラッシュの入れ方だとどんな逐次通訳になるかの説明もありました。
「サイト・トランスレーションって実際の通訳現場でどの程度発生するのですか?」
という質問をよく受けるそうですが、スピーチ原稿が事前にもらえる場合は、
それを見ながら同時/逐次通訳をしていきます。

ido_3.jpg

これからも今までやったことのない、新しい、面白い案件をたくさんやっていきたいという意欲的な井戸先生。また今後は、先生がこれまで送り出してこられた教え子の方と通訳現場でぜひ一緒に組んで仕事がしたい、とおっしゃっていました。

先生自身、これまで先輩通訳者からたくさん教わってきた「現場でしか教えられない、お客様との対応の仕方やブースでの構え方、サポートメモの取り方など、たくさんのこと」をぜひ自分の生徒さんへ伝えたいというメッセージがとても印象的なセミナーでした。
 
ビデオセミナーQ&Aの様子を動画でご覧いただけます。当日の様子はこちら!ビデオ

2014年3月2日開催 『通訳者への道』 アフターレポート

  • 2014.03.17 Monday
  • 13:36
サイマル・アカデミー新宿校では、定期的に「通訳者への道」「翻訳者への道」を開催しています。 現役通訳者・翻訳者が、プロになるための学習方法や仕事の体験談などをお話しする貴重な機会です。
32日に実施した「通訳者への道」では、初めての卒業生対談が実現しました
ご参加いただけなかった方々も、ぜひレポートをご覧ください

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【実施日】201432日(日)

【講師プロフィール】 

扇美乃里(社内通訳者)

大学卒業後、財団法人に勤める傍らサイマル・アカデミーに通学。2003年同時通訳科卒業。IT機器メーカーでの部署付きで通訳・翻訳者としてのキャリアをスタートさせる。主にITシステムやSAP関連の通訳・翻訳に従事し、2011年以降は人事部や社長室付きなど分野を拡大。現在は保険業界で通訳・翻訳に従事するとともに、当校通訳者養成コース入門科で後進の指導にあたっている。


高橋絵里(フリーランス通訳者)

南山大学卒業後、名古屋とロンドンで旅行会社に勤務。その後東京の出版社、バイオベンチャー企業で勤務するうちに通訳に興味を持ち、サイマル・アカデミーに入学。在学中からフリーランスの通訳者になり、2010年同時通訳科卒業。現在は業界分野を問わず、様々な場での通訳に幅広く従事するとともに、当校通訳者養成コース準備科で後進の指導にあたっている。

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▼レポートはこちら▼

今回は初めての「サイマル卒業生対談」です。フリー通訳者の高橋さん、そして社内通訳者の扇さんが、参加者の事前アンケートで寄せられた質問に答えながら時間が許す限り語ってくださいました。

異なる立場からの体験談は、これから通訳者をめざす方にとっては大いに参考になったのではないでしょうか。現在フリー通訳者として多方面で活躍する高橋さんは、駆け出しの頃は収入がとても不安定だったのだとか。「でも一度仕事をするとやみつきになって、経験を重ねるうちに今ではリピーターのお客様ができました。」一方、収入は安定しているという社内通訳者の扇さんには、こんな苦労話も。「社内でしか使わない単語や、その会社特有の略称が多いのは社内通訳ならでは。同じ略称でも、部署によって呼び方が違ったりすると大変ですね。」

 

そんなお二人への質問で特に多かったのは、仕事と勉強の両立について、そして効果的な勉強法です。高橋さん曰く、「どれだけやったかではなく、何をやったかが大切」とのこと。5分〜10分でもいいから、授業のパフォーマンス録音を帰宅してすぐ聞いてみたり、自分の苦手な点を中心に復習をしたのだそうです。「100%でなくても、とにかく継続することが大事だと思います。」

 

さらに、元受講生ならではの学習アドバイスも目からウロコのものばかりでした。

時間さえあれば英語・日本語を音読。例えば日本語の場合、新聞の社説を音読してみる。実際の通訳のように立ったままで、語尾も「ですます調」にするのがポイント。

リスニング力アップのためには、英字新聞などを読みリーディング力をつけることも効果的。

インドやアジア圏の英語が苦手と感じたら、その国で放送されている英語ニュース番組を聴く

朝日新聞の天声人語で日→英の通訳練習をする。訳しにくいぶん、英語の表現力強化に役立つ。

などなど、今すぐに実践できそうな勉強法を教えてくださいました。

 

そして、「勉強は苦にならない」とお二人は口をそろえます。「努力を惜しまず事前準備に力を注げる人、勉強が好きな人が通訳者に向いていると思います。」相当の勉強と事前準備を重ねながらもそれを苦とせず、通訳者としての日々を心から楽しんでいる姿に刺激を受けた方も多かったはずです。

『通訳者への道』は半年に1度のペースで実施しています。次回もどうぞお楽しみに!
(新宿校スタッフ)

2014年4月スタートの通訳者養成コースに間に合います
少しでも通訳に興味をもった方は、ぜひ一度無料の体験レッスンへ!
 4月6日(日) 13:00〜15:00 新宿校 →詳細は
こちら
 ※上級レベルの方が対象です。事前に無料レベルチェックをお受けください。

    入門科、通訳科、同時通訳科を希望の方は通訳テスト(46日実施)の受験も必要です。


▼セミナー風景▼


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