2017年8月26日(土)開催 『翻訳者への道』アフターレポート

  • 2017.11.01 Wednesday
  • 14:54

2017年8月26日(土)に開催された、「翻訳者への道」のアフターレポートをご紹介します。
講師は現役産業翻訳者兼、サイマル・アカデミー翻訳者養成コースのクラスを受け持つ沢田陽子先生。普段携わっている案件や、翻訳者に必要な技術、質の良い翻訳についてお話していただきました。

 


沢田 陽子

津田塾大学卒、英ロンドンメトロポリタン大学院応用翻訳学修士課程修了。

英系証券会社、米系コンサルティング会社などに勤務後、実務翻訳者に。

現在はサイマル・インターナショナルの英日翻訳、英日・日英翻訳の校閲に従事している。

 

 

|アカデミー時代と現在の翻訳案件


サイマル・アカデミー出身の沢田先生。外資系企業に勤務していた頃に翻訳を任されることで興味を持ち、契約書関係の通信講座を受けたことが、最初の翻訳学習経験だったそうです。その後、もっと広範囲なビジネス文書を訳せるようになりたいという思いから、産業翻訳コースに通学しました。

 

在籍当時、ひとつの文書をクラス内で分担して訳す課題が出たときのこと。「クラスメイトにメールで質問を投げかけると夜中でも返信が来て、他の人も頑張っているから自分も頑張ろうと思えた」と、今でも付き合いのある仲間達と切磋琢磨して学んだ学校生活を振り返りました。

 

沢田先生含め、通学制を選んで良かったことを伺うと、「クラスメイトとの関わり」と答える卒業生は多くいます。お互いプロになってから、アカデミー時代の思い出を振り返ったり、仕事の相談をしたりする存在ができることは、大きな財産ですね男

 

卒業してサイマル・インターナショナルにフリーランス翻訳者として登録後、携わっている案件は、官公庁学術機関国際機関金融機関などの業界で、文書は刊行物報告書プレスリリース社内会議資料契約書など。印象的だったのが、パワーポイント資料を翻訳(英日)するときの意外な苦労。一見訳す量が少なくて楽なのではと思えますが、説明なしで専門用語や社内用語が多く使われているため、枚数が少ない割に時間がかかる汗そうで、リアルな現場の声を聞くことができました。

 

|良質な翻訳のために


産業翻訳のもっとも重要な点は、「何が言いたいのかを伝える」こと。「完成した文書を読んだ時、全体の筋が通っていて、内容が理解できるもの」が良質な翻訳と言えるそうです。では、そのためにどのような能力を身につける必要があるでしょうか。

 

以下4つのことを挙げました。

 

■高い英語読解力 ■専門知識 ■リサーチ能力 ■日本語に対する意識

 

まず英語の読解力を磨く方法としては、声に出して読むこと。目から入る情報と耳から入る情報は異なるため、難しい文章に当たったときは、声に出すことで文と文の繋がりがよりクリアに見えてくるそうです。

 

そして、専門知識リサーチ能力。専門分野がなければ、それをリサーチで補います。学習方法としては、ビジネスニュースを聞き、日経新聞を読むなどして、常に幅広い分野にアンテナを張っておくこと。特に新聞は素人向けに書かれていて理解しやすいため、日経新聞を読むことから始めてみるのをお薦めしていました。

 

最後に、日本語に対する意識とは、言葉の選択や句読点の位置、論理的な文章になっているかどうかに意識を向けること。ここでいう「言葉の選択」とは、文書の背景に合わせて適切な日本語を当てはめることを指します。「上昇」「拡大」「増加」など、同じ意味でも複数の意味を持つ"increase"という単語の訳を例に説明していただきました。

 

単語や文法の正確な意味や、原文通りの順番に訳すことを重視する英文和訳と、文書の背景によって訳す単語の順番を変えたり、適切な意味を選択したりしながら、内容が伝わりやすいことを重視する翻訳の違いについてもお話がありましたが、機械的に訳すだけでは成立しない翻訳の奥深さに触れることができました。

 

 

翻訳者となった今でも「日々勉強」と仰っていた沢田先生。「翻訳者に向いていない人」として、「思いやりのない人」を挙げていましたが、「伝えたい、理解しやすいものを作りたいという思いが翻訳には必要」と仰っていた姿が印象に残りました。作業が終わっても何度も何度も立ち止まり、より良い訳を探究する精神が良質な翻訳へと結びつくのだそうです。

 

セミナーの最後には参加者の方々からいくつも質問が上がり、活気に満ちた良い回となりましたぴかぴか

 

ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

 

 

聞き耳を立てる参加者の声見る

・翻訳で大切なポイントがわかった。

・プロとしての経験談が大変役に立った。

・翻訳の仕事内容、現状の説明が分かりやすかった。

 

 

2017年2月26日(日)開催 『中国語/通訳者への道』アフターレポート

  • 2017.04.04 Tuesday
  • 17:18

サイマル・アカデミーでは、定期的にセミナー「通訳者への道」「翻訳者への道」を開催しています。今回は2017年2月26日(日)に開催された『中国語/通訳者への道』のレポートをご紹介します!講師はサイマル・アカデミー中国語通訳者養成コース主任講師の塚本慶一先生。『40年余の通訳現場・教場の体験から』というテーマでお話しいただきました。

 

 

1947年中国生まれ。高校まで上海で教育を受ける。帰国後、東京外国語大学中国語学科を卒業。中国語通訳者・翻訳者として活躍する一方、日本輸出入銀行(現・国際協力銀行)の参事役として日中ビジネス業務にかかわる。現在、北京大学大学院日中通訳翻訳研究センター名誉センター長をはじめ、日本並びに中国の大学・大学院にて後進の育成に当たっている。     塚本 慶一(中国語通訳者養成コース主任講師)

 

1947年中国生まれ。高校まで上海で教育を受ける。帰国後、東京外国語大学中国語学科を卒業。中国語通訳者・翻訳者として活躍する一方、日本輸出入銀行(現・国際協力銀行)の参事役として日中ビジネス業務にかかわる。現在、北京大学大学院日中通訳翻訳研究センター名誉センター長をはじめ、日本並びに中国の大学・大学院にて後進の育成に当たっている。     

 

 

1981年のコース設立当初からサイマル・アカデミーの中国語コースに携わってこられ、現在主任講師を務める塚本慶一先生。講師と通訳者両方の立場から、学習するにあたって重要な心構えや方法、また実践で大切にすべき要素について語っていただきました。

 

 

母語は「最大の武器」びっくり


「通訳者は言葉をただ訳せるだけでは不十分。通訳に必要な“背景知識”と相手に対しての“思いやり”を持って通訳することで初めて、真のコミュニケーターとしての役割を果たすことができる。」というお話から今回のセミナーは始まりました。中国語通訳者として活動するには、日本人なら中国語、中国人なら日本語のブラッシュアップは当たり前。通訳者は単に「中国語/日本語ができる」だけでは不十分で、まずは語学力の強化を図ることが大切です。

 

ですが今回、塚本先生のお話の中で、「母語は最大の武器」という印象的な言葉がありました。通訳というと外国語の語彙力や表現力の強化に重きを置くイメージですが、実は母語こそおろそかにしてはいけない。理由は、これが欠けてしまうと「微妙なニュアンスが訳せない」からだそうです。

 

母語だからといって、「ただ話せる、聞ける、書けるでは不十分」。通訳をする際外国語の方につられてしまい、ぎこちない訳になってしまわないよう、母語を「武器」とするべく日頃からブラッシュアップが必要であることを感じさせられました。

 

 

モチベーショングー


通訳者をめざして学習するにあたり、まず大切にすべきものはモチベーションだと語る塚本先生。「意欲と目的意識をしっかり持ち、やりがい、やる価値をしっかりと認識して取り組む」。通訳に限らず学びには挫折がつきものですが、何のために学習しているのかを常に頭に置くことで向上心を維持することが重要とのこと。通訳者はプロになってからも事前準備やスキル維持のために勉強し続ける仕事のため、学習者の方に限らずプロの方も、このお話はエールとなったのではないでしょうか。

 

さらに学習する環境にも触れ、その際「場」「友」「師」という3つの要素を挙げられました。まず「場」とは、一流の学習環境と実践的な授業を受ける場所。「友」とは、共に切磋琢磨しあう仲間。最後に「師」とは、追いつこう、最終的には追い越そうと努力する対象です。特に「師」について、追いつくだけでなく「追い越す」ために努力するという言葉は良い意味で緊張感があり、参加者の方々の学習意欲をかきたてたことと思います。

 

 

「中国語は短く、日本語は長い。」見る


言語の性質上、中国語を日本語に通訳する際、元の中国語の文章より日本語訳の方が言語の性質上長くなる。「会の最後の挨拶など、だらだら訳していたら訳し終える前に拍手が起こってしまう」と、実際の同時通訳の現場の様子を例に挙げられました。

 

しかし、通訳において「収まり」のみを気にするわけにはいきません。ではどうすればよいのかということで、「3サ」という言葉を用いて「正確」「分かりやす」「すばや」が通訳をする際心がけるべき3つの要素だと教えていただきました。

 

まず正確に訳すことは大前提として、相手に伝わるように訳す。さらにその場が自然でスムーズに進行するよう、的確な長さに収める。「3サ」を通して、通訳技術の本質が見えたお話でした。

 

 

 

 

セミナーは非常にアットホームな雰囲気で行われ、中には先生が執筆された本に直筆サイン鉛筆2をゲットしたラッキーな参加者の方もびっくりぴかぴか

セミナーの最後にご自身が40年間日中の懸け橋として誇りを持って通訳をしてきたことを振り返られましたが、長い間通訳者として、そして講師としてご活躍されてきた塚本先生だからからこそ、強い意志を持って学習を続けるという重みが伝わったことが印象的でした。

 

女参加者の声男

・前向きに勉強を続けようと思った。

・目標とそれへの学習行程が明確になった。

・中国語通訳の勉強の仕方、現状など聞けてとてもためになった。

 

2017年2月26日(日)開催 『英語/通訳者への道』アフターレポート

  • 2017.03.30 Thursday
  • 17:56

サイマル・アカデミーでは、定期的にセミナー「通訳者への道」「翻訳者への道」を開催しています。今回は2017年2月26日(日)に開催された『英語/通訳者への道』のレポートをご紹介します!講師はサイマル・インターナショナル専属通訳者の勝木一郎さん。

『通訳者をめざすことを決めてから今日まで』というテーマでお話しいただきました。

 

 

 勝木 一郎(サイマル・インターナショナル 専属通訳者)

 

国際基督教大学卒。慶應義塾大学大学院、米国ミネソタ大学大学院を修了後、ワシントンDCで自然保護団体のインターン、国会議員秘書を経てサイマル・アカデミー入学。在学中からサイマル・ビジネスコミュニケーションズを 通して社内通訳として勤務し、現在はサイマル・インターナショナル専属通訳者として活躍中。

 

 

 議員秘書から40代で通訳者に転身された勝木一郎さん。派遣を経てフリーランスとしての最初の仕事は、アメリカから来日した企業家のスピーチの通訳だったそうです。今回のセミナーでは、現役通訳者という立場から、実際の通訳の現場や事前準備のことについて語っていただきました。

 

多種多様な仕事と現場のニーズ読書


勝木さんがこれまで担当した通訳業務は、外国人が出席する披露宴のスピーチ、他国の人々に向けて日本の制度や政策について説明する研修インターナショナルスクールに通う子供の3者面談など、現場によって扱う内容はさまざま。

 

また、現場での訳出のニーズはクライアントの英語レベルの差にもよるそうです。たとえば、英語を聞くほうは問題ないが話す時にサポートが欲しい

またその逆。あるいは、始めから全て訳して欲しい、必要な時だけ訳してほしい、など、通訳を必要とするお客様によってニーズは全く異なります。

 

特にこの「必要な時だけ」という要望は、

「必要な時」がどの部分を指すのか第三者には分からない。

という理由から一番難しいとおっしゃり、このリアルな現場の声に会場では頷いている方もいらっしゃいました。

 

「とにかくやるしかない」メンタルびっくり


終盤に行われたQ&Aの際にも上がった「メンタルの保ち方」

勝木さんは、「通訳をしてうまくいかなった時は全部自分のせいにしていた」と、通訳者になりたての頃のご自身を振り返られましたが、

今では「悩むときはあとで悩む。あまり余計なことは考えず、

とにかくやるしかない」という気持ちで毎回臨まれているそうです。

 

そのきっかけとなったのが、ある会議でのこと。会議中、終始怒っている方がいて、勝木さんはそれをずっと自分の訳のせいだと思い込んでいました。

 

ところが実のところ、その方は通訳を聞いて理解した「会議の内容そのもの」に対して怒っていたことが後になってわかり、訳のせいどころか、むしろ内容がよく分かったからこそ、内容に集中していただいた姿をはじめて目の当たりにした経験があるそうです。

 

訳している最中は周りの反応は気になるものの、気にしていたら集中できない。いかなる状況においても仕事としてやりきらなければならないという、通訳者のリアルな心情が垣間見られたお話でした。

 

PPAPは知っておきたかったあせあせ


「通訳の仕事は扱う内容の幅が広いからこそ、事前に準備してから臨むことが重要だが、それだけではなく自分から収集する情報以外のことも吸収する必要がある」。その理由の一つとして、能と狂言に関するセミナーの通訳をした際のエピソードを明かしていただきました。

 

世間はPPAPが話題になっていた頃。勝木さんは、動画は目にしてはいたものの、あまり関心が持てず流してしまっていました。ところが、狂言師の方がセミナーの中で、PPAPのパフォーマンスを例に狂言の説明をしはじめ、リンゴとペンを

両手でくっつける仕草を、勝木さんが知らずに“Combine楽しい!”と訳すと、

狂言師の方に「そこCombineじゃないよびっくり!」とその場で笑って

突っ込まれる、ということがあったそうです。

 

会場はそのやりとりも含めて和気あいあいとした雰囲気でしたが、勝木さんは目の前の通訳案件の事前準備ばかりに集中して他のことは後回しにするのではなく、「自然と目・耳に入ってくるものはやはり確認しておかなければならない」と思われたそうです。

 

現場では何が役立つか分からない。そのために、どのようなジャンルの情報もないがしろにせず、知識として蓄えておくことが重要というお話でした。

 

 

 

最後は、40代で通訳者となった経歴を踏まえられてか、「自分の役割だと思っている」としながら、「通訳者になるのに年齢は関係ない」と締めくくられました。現役通訳者としてやりがいと苦悩を感じながらも、常に良い通訳を目指したいという思いが真摯に伝わってきたことが印象的でした。また勝木さんの人柄が影響し、会場は笑いが起こる堅苦しさゼロのアットホームな雰囲気でした。

 

 

聞き耳を立てる参加者の声見る

・通訳の仕事の大変さと面白さがよく理解できた。

・身近な経験をもとに話をされていて、とても良かった。勇気づけられた。

・具体的でリアルな通訳者の仕事の様子や本音を知ることができたため、通訳という仕事が身近に思えた。

・自分の方法論や体験を人間味あふれる語り口で話され、聞きやすかった。 

 

2016年3月6日開催 『通訳者・翻訳者への道in大阪』 アフターレポート

  • 2016.11.04 Friday
  • 18:19

大阪校のコースリニューアルを記念した特別企画として、大阪で初めて「通訳者への道・翻訳者への道」を開催しました。第2部は、長年、サイマル・アカデミー大阪校で日英翻訳コースを教えていただいている野口ジュディー先生の「翻訳者への道」です。

 

野口先生(サイズ調整済).png講師:野口ジュディー
サイマル・アカデミー大阪校で日英翻訳コース講師。ハワイ出身。
化学で学士を取得し、来日後、専門英語教育に興味を持つ。教育学修士課程、応用言語学博士課程修了。フリーで翻訳業をスタート後、理系論文の添削もしながら、現在は神戸学院大学グローバルコミュニケーション学部長を務める。

 

野口先生はハワイご出身の英語ネイティブ。セミナーは英語で行なわれ、第1部同様、サイマル・アカデミー修了生による同時通訳(英→日)付きでした。
今回は、先生の研究テーマであるESP(English for Specific Purposes)について、また、サイマルの授業でも教えているESPアプローチや、Corpusを駆使した翻訳についてお話ししていただきました。


ESP(English for Specific Purposes)とは
初めて耳にする方がほとんどかと思いますが、ESPとは「特定の目的のための英語」のことを指し、機械翻訳の指針にもなっているものです。例えば、大学病院に勤務している医師を例に挙げると、医師は論文や学会発表の資料を読み書きし、また日々進歩する医療・治療法を研究する研究者のネットワークの一員でもあります。そこにはひとつの共通目的をもった集団(ディスコース・コミュニティ)で使われる特定の英語が存在します。この「特定の英語」がESPです。

 

また、ひとつのESPの中にも、コミュニケーションの目的・用途によって様々なGenre(例えば、学術論文、取扱マニュアルなど)が存在し、そのGenre毎に繰り返し現れる言葉や表現、特定のパターンやルールがあります。

 

野口先生のESPとの出会いは、翻訳者として企業のアニュアルレポートの翻訳に携わった際、過去の文書の参考例や、国内・海外での他社事例を参考に「その業界でどういった言い回しをしているか」をリサーチし、社内で使えるフレーズブックや外部の翻訳者も使える専門用語集の作成に立会ったところからだそうです。
ESPはディスコース・コミュニティの環境の中で活動するために必要な言語で、翻訳はもちろん通訳を学ぶ人、ビジネスの分野で活躍する人にも重要であり、「学術的・理論的なだけでなく、実用的なアプローチ」だとおっしゃっています。

 

Genreの分析
効果的にコミュニケーションを取るためには、ディスコース・コミュニティの中にどのようなGenreがあり、それぞれにどのような特徴があるかを理解することが重要です。

 

セミナーでは、Genreの特徴を理解することが重要ということで、ひとつの例をあげて説明をしていただきました。
今回は「取引会社への販売価格改定」のビジネスレターを例に、日本語版と英語版の2種類を横に並べ、時候の挨拶、価格改定の本題、その理由にあたる部分を色分けし、順序や分量を比較しました。

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 日本語版には時候の挨拶などの“Politeness expressions”が多く、英語版は“What?” “When?”が最初に来るなど、情報の順序や情報量の点で文書の作りに大きな違いがありました。つまり、Genreの特徴を反映せず、単に機械的に翻訳するだけでは、本来の目的(この文書の場合は価格改定の了承、および取引の継続)が達成できない可能性があると考えられます。

 

Corpusの薦め
翻訳者としてGenreの特徴を理解することは重要で、その為には自分でCorpusを構築することが大切だと野口先生はアドバイスされています。Corpusとはテキストのデータベースのことです。セミナーの中で先生はAntConcというソフトを使用し、データベースの中から様々な用語の使い方を探すデモンストレーションをしてくださいました。

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皆さんも使い方に迷う“such as”と“like”の良く似た表現や、“however”のセンテンス内での位置などをCorpusで検索した結果も発表され、使用される分野によって使い方が異なることを実際の画面で見せていただきました。また、コロケーション(“heavy rain”などの正しい単語の結びつき)を勉強するという意味では、Corpusは翻訳者だけでなく通訳者をめざす方にもぜひ使ってもらいたいツールだとおっしゃっていました。

 

良い翻訳をするための“OCHA”
野口先生は、普段クラスで“Observe/Classify/Hypothesize/Apply”が大切だと生徒さんに言っておられるそうです。その文章が「何の目的で、誰のために書かれているのか、どういった情報がどのような順序で出てきているのか」をよく観察して翻訳し、翻訳をしたら声に出して読んでみて表現を確認することも大切だとおっしゃっていました。


日本人にとって日英翻訳はハードルが高いと思われがちですが、野口先生のお話にあったESPアプローチで、使えるものをフル活用することによりハードルが下がるのではと感じました。また英文ライティングにも活かせるESPアプローチをもっと多くの人に知ってもらえればなとも思いました。

 

えんぴつ サイマル・アカデミー大阪校 翻訳者養成コースについて

旗 これまでの「通訳者への道・翻訳者への道」セミナーはこちら

 

2016年8月27日開催 『通訳者・翻訳者への道』 アフターレポート

  • 2016.10.31 Monday
  • 14:42

サイマル・アカデミーでは、定期的にセミナー「通訳者への道」「翻訳者への道」を開催しています。こちらでは2016年8月27日(土)に開催された『翻訳者への道』についてレポートします!今回の講師はサイマル・インターナショナル登録翻訳者の桧垣さゆりさんで『17年間のブランクを経て、プロの翻訳者として社会に出るために、身に付けたこと』というテーマでお話しいただきました。

 

桧垣さん写真_web.jpg講師:桧垣さゆり(サイマル・インターナショナル翻訳者)
専業主婦として家事と育児に専念した後、2003年10月よりサイマル・アカデミー実践英語コース(現・総合英語)を受講。その後、翻訳者養成コース(産業翻訳英日基礎科・本科)を経て、2005年10月にサイマル・インターナショナルに登録。経済、経営などビジネス全般を中心に、英日翻訳と校閲を担当。

 

 

桧垣さんは「産業翻訳者」ということで、「産業=ビジネスや企業活動の流れ」になぞらえて、ご自身が翻訳者になった道筋や翻訳に必要な勉強についてお話しくださいました。

 

「フリーランスで仕事をするということは『企業を経営することのミニチュア版』のような側面がある。」というお話から、始まった今回のセミナー。企業経営において「マネジメント力=今あるリソースを使って最大限の成果を上げること」と定義したうえで、「会社勤めをしていれば、日々の仕事で身につく知識なのかもしれないが、主婦だった自分は翻訳者養成コースに入ってビジネス知識を身につけた。企業活動の考え方を知ることは翻訳のための知識ばかりでなく、自分自身が仕事をする上でも大きなヒントを得たし、ずいぶん助けられた」とおっしゃっています。

 

プロになるにはマネジメント力が必要 ―基礎研究から商品開発へ―
桧垣さんは長い主婦生活の後、翻訳者になりたいという思いからサイマル・アカデミーに入学。まず最初は英語力強化のため実践英語コース(現・総合英語)から受講を開始し、レベルの高いクラスメイトから刺激を受ける日々を送っていました。ですが、『いつまでも(実践英語コース受講を)続けていても具体的に仕事に結びつかない』と気づき、翻訳者養成コースへ移る事を決めました。

桧垣さん自身の中で「自分のマネジメント力の第1歩」と感じたのが、この翻訳者養成コースへの入学でした。
この「翻訳者養成コースへ移ろう」という決断を企業活動で例えると「基礎研究段階から商品開発の段階に移った」と桧垣さんは言います。

モノを売る以上、商品開発をしない会社はない。つまり、「翻訳者としてやっていきたいなら、翻訳の勉強(=商品開発)をしなければ、翻訳者にはなれない」ということに気づいたそうです。実践英語コース時代のクラスメイトは高い英語力を既に持っているにも関わらず、「まだまだ英語が足りない」と尻込みする方が多数だったそう。英語力が足りないから、翻訳者になれないかもしれないと、ずっと基礎研究(=英語の勉強)を続けてしまい、夢見ていたはずの翻訳に必要な商品開発(=翻訳の勉強)にいつまでたっても移らないクラスメイトがいた、というエピソードに続けて「怖がっていつまでも先に進まないのはもったいない。たとえ翻訳者になれなくても失うものは少ないのだから、リスクを取ってでも自分で決断が必要」と力強いメッセージをいただきました。

 

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産業翻訳の魅力 ―商店街から地球の裏側へ―
産業翻訳の勉強を通じて桧垣さんが感じたこと、それは「自分の身近な出来事とグローバルな世の中の動きが、実は地続きだった!」ということだったそうです。

主婦だったとき、桧垣さんにとっての世界は「家や子供の学校、商店街」など限られていました。それが、1歩外に出てみると、意識は地球の裏側まで一気に広がったと言います。「個人レベルから、会社レベル、国家レベル、世界全体と見渡すことができるようになり、仕事を通して間接的、時には直接的に関われること、そして居ながらにして広い世界や時代の最先端につながれるのが産業翻訳の魅力です。」


今回のセミナーでは、翻訳の勉強をする中で身につけた「企業活動での様々な考え方」が、産業翻訳に必要な知識としてだけでなく自分の決断やモノの考え方にとても役に立った、というお話で非常に印象的でもあり、また心にも強く響きました。翻訳者養成コースに進んだ後も、17年間主婦業に専念されてきた桧垣さんと現役ビジネスパーソンとでは、課題1つをこなすにも翻訳作業に取り掛かる前段階の内容理解から苦戦されたと言いますが、全く知らなかったビジネスの知識を時間をかけてひとつずつ調べ、身につけながら取り組むことで、入学から1年半で翻訳者登録につなげた桧垣さんの努力に、きっとセミナーに参加された多くの方は背中を押されたことと思います。
 

旗 サイマル・アカデミーの翻訳者養成コースについて

四葉のクローバー これまでの『通訳者・翻訳者への道』セミナー

2016年8月27日開催 『通訳者・翻訳者への道』 アフターレポート

  • 2016.10.27 Thursday
  • 10:40

サイマル・アカデミーでは、定期的にセミナー「通訳者への道」「翻訳者への道」を開催しています。 こちらでは2016年8月27日(土)に開催された『通訳者への道』についてレポートします!今回の講師はサイマル・アカデミー通訳者養成コース講師の今井美穂子先生です。

 

今井美穂子先生_web.JPG

講師:今井美穂子(会議通訳者、サイマル・アカデミー講師)
上智大学外国語学部英語科卒。映画配給会社に勤務しながら、3年間サイマル・アカデミーの通訳者養成コースに通う。2008年秋、同時通訳科(現・会議通訳コース)修了。現在はエンターテイメント業界を中心にフリーランスの通訳者として活躍する一方、通訳者養成コース(通訳機砲よび準備コース(通訳準備)の講師として後進の指導にあたる。 

 


サイマル出身の通訳者の中で、エンターテイメント業界を中心に通訳業務をされている方は実は珍しいのですが、今回のセミナーでは今井先生が通訳者に転身する前の経歴を活かして活動するに至った経緯や、エンターテイメント業界での通訳のお話、また普段アカデミー講師として教える立場から、業界によらず通訳者に求められる勉強や姿勢など様々なお話をしていただきました。


「英語が喋れる」と「通訳ができる」は別物
セミナーの冒頭では、司会者が読み上げるご自身のプロフィールを逐次通訳していただきました。先生は幼少期に海外で暮らしていたことのある帰国子女。しかし、英語は喋れても通訳はできないということを強調していました。英語のFluencyが高い人は、「通訳っぽい」ことはできるかもしれませんが、冗長な表現になってしまうことが多く、決して「うまい通訳」とは言えないそうです。「『通訳の勉強』をしないと、要領よくまとめて訳出することはできない。通訳学校に入って天狗の鼻を折られました」と通学時代の苦い思い出を語ってくださいました。
逆に、帰国子女や留学などの海外経験がなくても、日本でコツコツ勉強して通訳者になった人は、その後もコツコツと経験を積み、優秀な通訳者になるケースも多いそうです。


通訳・翻訳の両立と、向き・不向き
今井先生は通訳業がメインですが、翻訳を頼まれることもあるそうです。ですが、全く関係のない分野というよりは「芸能」という主軸の元、翻訳業もやっています。「ビジネス通訳も文芸翻訳もやる、というようにオールラウンドで通訳・翻訳をやるのは不可能です。第一線で活躍するならどちらかに絞った方がいい」とのこと。
その中で通訳向きの人は『潔い人』『失敗を引きずらない人』『ある程度出たがりで虚栄心がある人』、翻訳向きの人は『言葉に対してこだわる人』『じっくりと物事を考えられる人』と分析されていました。

 

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“Preparation or Lack thereof makes or breaks the interpreter”
準備をしたかしないかが通訳の正否の分かれ目である。

セミナーではいかに事前準備が大事かを説く場面が多々あり、その中でも「背景知識」という言葉を多く耳にしました。映画は様々な世界をテーマに扱うため、多岐にわたり知識が豊富でないと話者の思考のフローが頭に入って来ず、直訳になってしまい、聴き手に伝わるいい通訳ができないそうです。また、知らない単語に出会ったときも背景知識を持っていると、話の前後でその単語の意味を推測することもできます。

例えば今井先生の場合、1人の監督のインタビューを通訳するのに、その監督のこれまでの作品や過去のインタビューを調べて動画があればチェックしたり、また本を執筆されている場合はなるべく目を通すようにしています。他の分野の通訳者同様、単語帳づくりも欠かせない作業です。

年間200本、週4本ペースで映画を観て、常に情報収集をしているそうで、「通訳している時間だけが通訳ではない。準備している時間も含めて通訳なので、正直遊ぶ時間はないです。」とプロ通訳者の厳しさも教えてくれました。

 

ハリウッドスターや有名な映画監督など、華やかな場面での通訳をしている今井先生。一方、仕事のためにスプラッタ系のホラー映画を観続ける日々や、日活ロマンポルノの映画を観続ける日々など、趣味の映画鑑賞では観ることのないジャンルも観なくてはいけない、などの芸能通訳者ならではのエピソードも。休み続けることなく準備に余念がないプロの熱い一面が垣間見えるセミナーでした。

 

旗 サイマル・アカデミーの通訳者養成コースについて

旗 前回の『通訳者への道(2016年2月28日実施)』はこちら

2016年3月6日開催 『通訳者・翻訳者への道in大阪』 アフターレポート

  • 2016.09.26 Monday
  • 13:18

大阪校のコースリニューアルを記念した特別企画として、大阪で初めて「通訳者への道・翻訳者への道」を開催しました。第1部は、日本の会議通訳者の草分け的存在で、サイマル・アカデミー東京校で「会議通訳コース」を教えられている小松達也先生による「通訳者への道」です。

 

かつて、大阪に住んでいたことがある小松先生。
「大阪の人は東京の人よりよく話す、Talkativeな人が多い。ハッキリものを言う大阪の人の方が通訳者に向いている」というお話から、今回のセミナーは始まりました。

 

嬉しい 私はこうして通訳者になった
高校時代からアメリカの映画とジャスに魅せられた小松先生はアメリカに憧れをもち続け、大学卒業後、米・国務省で募集していたワシントン駐在の通訳者試験に合格。そして25歳の時に渡米。「アメリカに行きたかった想いが募って渡米し、その手段が通訳だった。そんなことで私の通訳人生が始まった。」とおっしゃっています。
渡米した頃は、日本がまだアメリカから経済援助を受けていた頃で、日本から来る経済人・ビジネスマンの訪問団に同行して自動車や鉄鋼などの工場視察や会議で同時通訳をする日々を送っていました。
アメリカでのプログラム終了する頃、1964年東京オリンピックが終わった後の日本では、国際会議がようやく開かれるようになり通訳の需要が増加。1965年に一緒に帰国した村松増美さん、國弘正雄さんとサイマルを立ち上げました。


四葉のクローバー 通訳の楽しみは
“the first page of history(歴史の第1ページ)”という、ジャーナリズムを指す言葉があります。「ジャーナリズムは歴史の第1ページ、ほかの人が知るより前にジャーナリストが知っている」ということを指すわけですが、「通訳者は会議に同席して通訳するので、実はジャーナリストより前に知っている!通訳者は歴史の第一線にある仕事である。」と小松先生は言います。「カッコイイ、いい案件の通訳をずっとやらせてもらい恵まれていた」と話す小松先生は、沖縄返還の日米交渉やオイルショック、日米貿易交渉、サミットなど歴史が動く場面で通訳をされてきました。

また、普通は会えない方々に会うことができるのが通訳者の面白みの一つ。ただ会うだけでなく、その人を通訳するために、その人のことをいろいろ勉強する。時には直接話す機会もあって、その人の人柄を知ることができる楽しさがあります。「佐藤栄作氏から小泉純一郎氏までの歴代の首相、米国大領領もクリントン氏まで、財界人も松下幸之助氏、ソニーの森田氏、ホンダの本田氏・・・みなさん実に面白い人だったが、普段会うことができない魅力的な方々と会い、話をする機会が持てたのも通訳者だったから」とおっしゃっていました。
また、仕事で世界を飛び回り、異文化に触れられること、サラリーマンのような縛りがなく自由な仕事であること、年齢に関係なく仕事をすることができるのも魅力の一つです。

 

★通訳者・翻訳者への道(20160306) 004.JPG


えんぴつ 通訳の技術:通訳者に求められること
「通訳は人の言うことをよく聞いて正しく理解し、その内容を分かりやすく、明瞭に、そして自然な言葉で、聞く人に伝えること」とおっしゃる小松先生は、その為に何が必要かを語ってくださいました。

まずは高い語学力。
実は英語のプロ通訳者で帰国子女は全体の25%〜30%程度。つまり、大多数は日本で英語を身につけた人たちで、それでも十分プロの通訳になれるわけです。
そのために必要なことは2つ。1つは各自が英語力不足を自覚し、プロになった後も日々英語力アップの努力を続けること。もう1つは限られた英語力を使っていかにうまく通訳できるかどうか、だそうです。
また、訳出に関して、日本語と英語の語順の違いから自然でなくてもいいという考え方もあるようですが、小松先生は「プロの通訳者であれば自然で分かりやすい表現にこだわってほしい」と普段教鞭を取られているからこそのお話もありました。

その次に重要なのが知識を付けること。
ビジネス、政治、環境、医学・・・それらの知識を持っていなければ、本当の意味で話の内容を理解することは難しくなります。身につけた知識を使って表現することが大切で「通訳者は言葉ができる知識人であり、コミュニケーション能力のある通訳者は現代に一番必要な人材」「通訳や翻訳の学習をすることで国際的知識人になれる」とおっしゃっています。

興味深かったのは、「通訳者も自分の意見を持たなければいけない。興味をもつ分野を見つけ、そこから自分の意見を形成していくとも大事である。通訳者は客観的な立場で、自分の意見を言ってはいけないが、人のことを理解し表現するためには、自分の意見・意思も必要である。」というご意見でした。これは通訳だけでなく、私たち皆に必要なことかもしれません。


その他、事前に寄せられた質問にもお答えいただきました。

 

通訳の仕事の未来は? 
日本に平和と経済成長が続く限り、日本での通訳業界の成長もゆるやかではあるが成長が続くのではないか、日本のビジネスと連動して縮小することはないと思う、と小松先生はおっしゃいます。「よく、コンピューターが通訳に替わるかという質問がありますが、人間の言葉は複雑で、表面上の言葉ではなく心を読まなければ通訳はできません。その点でコンピューターが通訳に替わることはないと考えています。」

 

日本において通訳の資格制度が必要か? 
通訳市場は自由競争市場でありクライアントが適切な評価を下してくれているので、自由競争で案外うまく機能している、と小松先生は見ています。「資格制度がないのは問題ではあるものの、それによる不自由があるわけではない。しかし、通訳は買い手市場であるため、残念ながら通訳者の地位はあまり高くない状況であるのが現状」「通訳者の地位を上げるには、通訳者が自らを正し自らをより立派な通訳者になるようにし、地位を上げていくことが必要」と考えておられるそうです。そうすれば、通訳という仕事がより魅力的なものとなり、後に続こうという人も増えるのでは、とお話しくださいました。


通訳の第一人者の話とあって、会場の皆さんはとても熱心に聞き入っていました。
また当日は、サイマルの卒業生が小松先生の話を日→英同時通訳するパフォーマンスもあり、「実際の同時通訳を聞けて勉強になった!」という方も多く見受けられたセミナーでした。

 

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同時通訳ブース


 

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2016年2月28日開催 『通訳者・翻訳者への道』 アフターレポート

  • 2016.05.20 Friday
  • 10:24

サイマル・アカデミーでは、定期的にセミナー「通訳者への道」「翻訳者への道」を開催しています。 こちらでは2016年2月28日(日)に開催された『通訳者への道』についてレポートします!

今回の「通訳者への道」セミナーの講師はサイマル・アカデミー通訳者養成コース講師の高松珠子先生です。アメリカで教育を受けた高松先生は英語が母国語となるため、今回はすべて英語で行なわれました。

高松先生(サイズ調整済).png講師:高松 珠子(会議通訳者、サイマル・アカデミー講師)
オーバリン大学卒業後、 クラシック音楽関係の米系企業の日本駐在などを経て、フリーランス通訳者に。 日本外国特派員協会の記者会見通訳を多数担当している。


セミナーは、先生が一方的にお話されるのではなく、来ていただいたみなさまから直接質問を受けて答える、という「コミュニケーション重視」のスタイル。始めはみなさん遠慮がちでしたが、次第に積極的に手が上がるようになりました。多くの質問に答えた高松先生の口からは、これから通訳・翻訳の勉強を始める方や、すでに通訳・翻訳の仕事をされている方へ向けての熱いメッセージが飛び出しました。

その中でも印象的だったのは “Know Thyself!(汝己を知れ!)”という言葉。何をやるにしても「自分のことを知ることが大切」と仰っていました。例えば、自分の強み・弱みを知ることだったり、会議通訳や通訳ガイドなど数ある通訳の種類の中で、どの通訳をしたいのかを知り、決断することも「己を知ること」だそうです。
 

高松先生_ブログ使用.jpg


また、“You have limited amount of energy and time in your life.” と時間の使い方の大切さを説く場面も。通訳案件の前に自分の知らないことを調べる際は、「案件の日から逆算して何をどこまで勉強できるか」と分析しながら、実際の現場でどのようなことが聞かれるか、どんな話が上がってくるのかを想像し、その中で自分が分からないことを優先的に勉強していくそうです。また、今後しばらく話題に上がるであろう事柄(経済や中国などの隣国のこと)については日々勉強をし、情報を更新しています。
「通訳をしてみたい分野があるのですが、どのように勉強すればいいですか。」という質問に高松先生は「興味がある分野があるのなら、まずは飛び込んでみればいい。仕事をしながら勉強するのが上達への一番の近道です。」と強く後押しする場面も見られました。

トップ通訳者とは思えないほど気さくで、いろいろな質問に熱心に答えてくれた高松先生。先生に励まされた方が多く見受けられたセミナーでした。

嬉しい 参加者の声

● 高松先生の気さくな人柄とパワー溢れるお話を聞くことができ、モチベーションを上げることができました。イメージしていた通訳者とは異なり、1つ1つの言葉からたくさんのパワーを頂けました。これから目標に向かってがんばります。ありがとうございました。
● 通訳になるにあたっての重要なエッセンスをご伝授していただきました。いろいろご回答くださり、ありがとうございました。


次回は2016年8月末ごろを予定しております。

四葉のクローバー これまでの「通訳者・翻訳者への道」アフターレポートはこちら

2015年9月6日開催 『通訳者・翻訳者への道』 アフターレポート

  • 2015.10.01 Thursday
  • 17:42

サイマル・アカデミーでは、定期的にセミナー「通訳者への道」「翻訳者への道」を開催しています。 こちらでは9/6(日)に開催された『通訳者への道』についてレポートします。

★同時開催『翻訳者への道』アフターレポートはこちら

matsusita_1.png講師:松下 佳世(会議通訳者、サイマル・アカデミー講師)
米コロンビア大学ジャーナリズム大学院修了。朝日新聞のニューヨーク特派員などを経て、サイマル・アカデミー通訳者養成コースで学ぶ。修了後、サイマル・インターナショナルの専属通訳者を経て、2014年4月からフリーランスに。2014年9月からは国際基督教大学の准教授として通訳学などを教えている。
サイマル・アカデミーインターネット講座『基礎から始める通訳トレーニング-通訳訓練法と実践演習-』講師



現在、松下さんは会議通訳者として活躍する傍ら、大学で後進の育成にも力を入れていますが、通訳者に転身する前は新聞記者でした。多忙な記者生活を続ける中、
「自分なりのスキルを身に付けることによって、会社に頼るのではなく自分の力で切り開いていきたい」
と感じるようになり、たまたま本屋で手に取った小松達也先生の『通訳の技術』という本がきっかけで、通訳者になることを決めました。

◆通学=通訳者デビューへの近道
社内通訳やフリーランスで通訳をするにもまずは経験が必要。そのためには通訳学校に通い、修了後通訳者としてエージェントに登録するのが最も効率的、と考えた松下さんは2010年4月からサイマル・アカデミーに通い始めました。

通訳学校の都市伝説?
通訳学校では、実力があっても下のクラスからスタートしたり、修了までに何年もかかるのでは?と思う方も多いと思います。しかし、松下さんは同時通訳科(現在は会議通訳機砲らスタートし、1年で修了されました。
「入学試験を受ける日のパフォーマンス次第で入るクラスが決まり、修了するまでの時間は人それぞれ。すべては自分次第です。」

通学中の予習・復習
【予習】使用教材に出てくるスピーカーのことやその他情報を出来る限り調べるので、費やす時間は授業時間の3、4倍くらいだったそうです。時間をかけることによって、自分は準備が足りなくてできないのか、通訳技術が足りなくてできないのかがよくわかるのだとか。

【復習】松下さんは授業終わりにクラスメートと自主的に勉強会をしていたそうです。その勉強会では、授業の復習だけでなく、スピーカーを決めてその人の通訳をしたり、発音をチェックしてもらったり。
自分で調べて話すと知識が定着するので、一人で黙々と勉強するより周りと協力する方がよい」とクラスメートの大切さを語っていました。
matsusita_2.png

何よりも日々の隙間時間を予習・復習などに費やし、通学をおろそかにしないことがポイント。予習ができなくて、授業中に恥をかいたらその分「悔しい、がんばろう」と思えるのも通訳者に大切な資質の1つです。

◆おすすめの通訳訓練方法
音声を聞きながら訳出をする同時通訳では、スプリットアテンション(同時に2つのことに注意を向ける)力が必要になります。音声を聞きながら、内容(幹)を取るための練習としておすすめなのでが『カウントバックワーズ』です。
〔したい音声・動画を用意(日本語でも英語でも)
音声・動画を聞きながら、それとは逆の言語で500から数を逆に数える
【例】英語のスピーチを耳で聞きながら、口で「500、499、498…」と数える

口に負荷がかかった状態で、耳で聞いた情報を後で正しくサマライズできるかどうかを見る訓練です。さらに自分のパフォーマンスを録音すると、自分が止まって音を聞こうとしていたり、きちんと数を数えられなかったりすることがよく分かるそうです。

その他に松下さんが日々実践している訓練法として、シャドーイングスピードの早い英語ニュースの英語音声を聞いて、どこまで訳してついていけるか、などを行なっています。


最後に「松下さんが思う通訳者の適性とは?」という質問に以下のように答えてくれました。
「まず、適性がないとわかったら通訳者にならないのか、自分に問いかけてください。それを乗り越えてまでやりたいのかどうかです。熱意ですべてを乗り越える方もいらっしゃいます。すべては努力次第です。

その他にもこれまで携わってきた通訳の仕事内容や、その準備方法など様々なお話をしていただきました。新しい世界に飛び込むには勇気がいりますが「熱意を持って取り組み、努力することが大切」という松下さんの言葉に背中を押された方も多かったのではないかと思います。

楽しい参加者の声
・内容の濃さもさることながら熱意にあふれたお話に感動した
・準備のコツ・練習方法等が役立ちました。全体的に、実例をたくさんあげて下さり、とても分かりやすかったです
・一番良かったと思うのは自分が通訳者になるとしたら、どんな人になり、どんな仕事と人生になるかというイメージを抱けたことです。通訳の種類、内容、取り組み方、目指す方向性への説明が分かりやすく聞けました。

早送り 前回の「通訳者・翻訳者への道」(2015年2月11日開催)はこちら
旗 サイマル・アカデミーの通訳者養成コースについて
 

2015年9月6日開催 『通訳者・翻訳者への道』 アフターレポート

  • 2015.09.25 Friday
  • 19:23
サイマル・アカデミーでは、定期的にセミナー「通訳者への道」「翻訳者への道」を開催しています。
こちらでは9/6(日)に開催された『翻訳者への道』についてレポートします。

★同時開催『通訳者への道』のアフターレポートはこちら

kitajima_1.png講師:北島 由紀子(リンクトランス・サイマル登録翻訳者)
電機メーカー等への勤務を経て、2008年から2012年まで英国ロンドンに在住。ロンドンに関する公式ガイド資格を複数取得する他、大英博物館にてボランティア等を経験。帰国後、2013年4月から2014年3月までサイマル・アカデミー翻訳者養成コース(産業翻訳コース英日)を受講。コース修了後より、在宅翻訳者として翻訳に従事。



『翻訳初心者の私が翻訳者になるまで』というテーマでお話しいただいた今回の講師、北島由紀子さん。旦那さんのお仕事でロンドンへ行くまで、英語に関わる機会はなかったそうです。大英博物館のボランティアガイドや現地のオフィシャルガイドの勉強をしていくうちに英語が身についてきたことを実感。「好きな分野から入っていくとその他の英語のハードルが低くなりました。」と語っていました。
帰国後はサイマル・アカデミーの産業翻訳英日コースを受講。修了後は講師の推薦もあり、グループ会社のリンクトランス・サイマル(LTS)に登録し、翻訳者としてのキャリアをスタートしました。現在は、英日翻訳を中心に経済、環境、文化など様々なジャンルの翻訳に従事されています。

◆翻訳の仕事の流れ
翻訳の仕事は.螢機璽→∨殘(原文を読むことも含む)→チェックという作業の流れで、費やす時間の割合としては3:4:3くらいだそうです。

リサーチ量で翻訳が変わる
kitajima_2.png翻訳作業の前に行なうリサーチ。北島さんはこの作業にかなり時間を割いているそうです。「仕事を始めた頃、リサーチをせずに翻訳に取り掛かったらとても大変な目に遭ったので、面倒でもやるべきです。」
と力説するのは、この後の翻訳作業をスムーズに進めるため。業界のことをより深く知り、翻訳の質を上げていきます。
「その業界の人になったような感じに頭を切り替えます。」
依頼主の会社情報や業界をインターネットで調べたり、翻訳対象物の執筆者について調べたり、とそのリサーチは多岐に及びます。

原文を読むときのポイント
翻訳作業を始める前に各章のタイトルを追ってみるなど、全体の文章構造をまず頭に入れることがポイントだそうです。これは北島さんご自身が以前、最初から訳し始めたところ途中で文章のつじつまが合わなくなり、訳した後に全体の3分の1にものぼる文章を訳し直さざるを得なくなった…という苦い経験から得たそうです。

翻訳だけど音読?!
「声に出して読むと分かる」と様々な場面で仰っていた北島さん。翻訳者はパソコンに向かって黙々と作業するイメージだったので、個人的にとても意外でした。
「原文(英語)を声に出して読むと、文章のリズムや作者の意図などが分かるようになります。また、翻訳が完了してチェックする際も訳文(日本語)を声に出して読み、原文を読んだときの印象やニュアンスと合っているかどうかチェックします。」
分からなくなったときには音読を心がけているそうで「おすすめの翻訳法です」と語っていました。

◆学校に通うメリット
翻訳の勉強方法はいろいろありますが、サイマル・アカデミーを選んで良かった点は「いろんな人の訳をみっちりと比較して、すごく深く考えられたこと」。実際の仕事では、他人の訳文に触れる機会がなく、自分の表現が正しいかどうかも分からないことがあるそうです。「脳が疲れるけど、楽しかった。」と通学時を振り返っていました。

60分という短い時間の中で、翻訳の種類や実際の業務内容、留意点など様々な話をしていただきました。中でも「好きな分野から入っていくと、その他の英語のハードルが低くなる」という言葉は印象的で、『語学学習』と言うとつい構えてしまう部分もありますが、肩の力を抜いて好きなことを極めていくことが上達への近道なのかな、と思いました。

嬉しい参加者の声
・話が具体的で分かりやすかったです。好きな分野から勉強していくこと私もぜひやっていきたいと思います。
・自分で分からないところが明確になった。自分もすでに翻訳者としてスタートしているが、他の翻訳者の方はどうするんだろうという疑問が解決できて安心しました。
・事前調査/翻訳/見直しというプロセスを詳しく教えていただき大変ためになりました。

ビデオセミナーの様子はぜひ動画でご覧くださいビデオ


早送り 前回の「通訳者・翻訳者への道」(2015年2月11日開催)はこちら
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