【通訳者養成コース】卒業生セミナーアフターレポート

  • 2019.08.21 Wednesday
  • 11:05

サイマル・アカデミーでは、現在通訳者として活躍されている卒業生を招く「卒業生セミナー」を実施しています。

今回は、先日行われた通訳者養成コースの卒業生セミナーの様子を一部抜粋してご紹介します。

 

野間口蓮海さん

大学卒業後、社内で通訳・翻訳に携わる。サイマル・アカデミーインターネット講座受講を経て、2015年秋サイマル・アカデミーに入学。通訳気ら受講開始。

修了時のオーディションでは大変優秀な成績を修め、サイマル・インターナショナルの専属通訳推薦を得る。現在はコンサルティングファーム企業で社内通訳として活躍中。

 

 

 

──野間口さんが通訳者を目指すようになったきっかけは何でしょうか。

きっかけは三つあります。一つは元々社内翻訳をしていたんですが、通訳もやってほしいと会社から頼まれたこと。通訳訓練を受けたことが無かったので、文字通り一言も訳せず打ちのめされたこともありました。会社の先輩に相談したところ、サイマルのインターネット講座を紹介されて興味を持ったのが始まりです。

二つめは、アカデミーのクラス内で講師が同時通訳のデモンストレーションを見せてくれた時です。初めて実際のスピーチ音声を使って演習をしている時でした。自分は逐次通訳でも大変苦労していたのに、どんな情報も落とさず漏らさず正確に通訳されている姿を見て、かっこいいな、自分もこんな風に通訳ができるようになりたい、と強く思うようになりました。

三つめは、社内で通訳の実務経験を積むうちに、自分の通訳によって双方が円滑にコミュニケーションできていると実感できた時です。

 

──現在のお仕事についてお聞かせください。

外資系のコンサルタントファーム会社にインハウスの通訳者として勤務しています。初めにメーカーのM&A関連のプロジェクトに携わりました。日本語でも知らない用語が多く、専門用語や知識を一から勉強しました。今はメーカーの社内改革を担当しています。医療系のメーカーなので知らないことも多く、とにかく日々勉強です。

一日の流れは客先でミーティング、その後社内で翻訳をしたり通訳の準備をしたりしています。通訳はウィスパリングかパナガイドを使った同時通訳がほとんどです。

事前準備は、ミーティングの前には資料を必ずいただいています。日英両方の場合もあるし、英語のみの場合もあります。単語はもちろん、訳語を調べておきます。また訳語だけでなくその言葉が何を意味しているのかを調べます。あとはカタカナ英語など、訳しづらい単語をどう訳すか予め考えておいて、スムーズに訳せるようにしていますね。

 

──通訳者として日々トレーニングしていることはありますか。

毎日必ずやっていることは音読。私は海外経験がないので、自分の弱みは英語だと思っています。だから毎日どんなに忙しくてもやる。これはアカデミーに通っていたころから続けています。

それから英語のインプット。リーディングとリスニング。あとは通訳訓練。最近は主に同通の練習ですね。Podcastやネット動画を使うこともあるし、アカデミー時代の音源は今でも使っています。時間がある時はシャドーイングやリプロダクション、文法も。やることは無限にありますよね。

通訳練習は、IRの練習をしています。会社によってはホームページ上でIR音源を公開しているので、練習用によく使っています。中には同時通訳の音源がある場合もあるので、通訳者がどう訳すのか勉強になります。あとはFPCJの動画も通訳者がいるので、よく使っていますね。

 

──サイマル・アカデミー通学時代にはどのように勉強されましたか。

アカデミーの授業と実際の業務が中心でした。私は英語を話す機会があまりなかったので、最初の頃は授業で言葉も出てこないし、文法もめちゃくちゃでした。ただ、常に間違えた理由を考えながら復習をしていました。理解していなかったから間違えたのか、それとも自分の癖なのか。どうしたらより正確な、より分かりやすい英語を話せるようになるのか。

授業で「こんなの訳せない」と思うことがあるかと思いますが、私はそういった自分の快適なラインを超えた難易度に挑戦することで、少しずつ力がついていった気がします。

会社では週一で電話会議の逐次通訳をしていました。アカデミーに通っていた当初は業務では手も足も出なかったです。電話会議なので音声も悪い。自分が変な英語を話すと向こうも聞き返してくる。それを繰り返しながら、どう訳したら相手に伝わるのか考えていました。

 

──通訳クラス、それぞれのレベル毎にやっていたことはなんですか。

授業の予習復習がメインですね。通訳気筬兇任呂箸砲く基礎訓練。自分のパフォーマンス録音を聞いて、一人でもう一度やってみて、できるようになったかを確認していました。ボキャブラリ強化にも力を入れていて、単語リストや時事クイズに加えて、それに関連する語句なんかもも調べてました。あと数字は毎日やってましたね。数字は慣れるしかないし、普段練習していないとパッと出てこない。ここでしっかりやっておくことで、後々楽になりました。特に同通では、数字が出てこなくて止まってしまうと、その後の情報も落としてしまう。

通訳掘↓犬任睛十復習がメインなのは同じ。実際の音声を使用した生教材になると、自分のアラが目立つようになりました。情報がごっそり抜けていたり、正確に訳せていなかったり。ここでも常にその原因を考えるようにしていました。聞き取れなかったのか、間に合わなかったのか、内容が複雑で理解できなかったのか。

 

──事前アンケートによりますと、リテンションに苦戦している方が多いようです。

リテンション、しんどいですよね。でもとても大切。私は、サイマル・アカデミーでリテンションを取り入れてるのは、メモ取りをする前にリテンションの力をしっかりつけるべきだからだと理解しています。通訳コースでも最初の頃はメモなしで通訳演習をしますが、メモ取りに入るとメモを取ることに気を取られてしまう。これは通訳訓練を受けている誰もが陥ってしまいがちな罠だと思います。リテンションがしっかりしてればメモはあくまで補助なんです。

リテンションの訓練については、自分が使わないような表現や構文を自分の口から出す、という経験がとても大切だと思います。それによって自分の使える言葉が広がっていく。私もリテンションは苦手だったので、自分の持っている言葉でしか話せない、という問題が発生していたんです。

 

──メモ取りはどう工夫されていますか。

使っている記号は授業で配られたリストがほとんどです。普段の業務の中でこれがあったら便利だな、と思うものがあれば自分で作ったりもしましたね。(実際にホワイトボードに書いて説明)話者の気持ちが伝わるので、個人的には絵文字の表現が結構好きです。

メモ取りに気を取られないようにすること、話を聞いて理解することが大事ですね。あくまでメモは記憶の補助だということを普段の訓練から意識すること。メモでなく記憶に頼ることが大切だと思います。

 

 

 

──辞めたい、と思ったことはありますか。

あります。最初の会社で、同僚に英語が堪能な方がいたんです。その方は帰国子女で、しっかり仕事をこなすプロ意識の高い方でした。意見をはっきり言う方で、「そんな稚拙な英語を使うんじゃない」と言われたこともありました。自分は海外経験もないし、アカデミーに通って努力しているのに全く追いつけない、ということが長い間続いたんです。心が折れそうになったことはありました。それを乗り越えた、というよりは、話を聞いてくれる人の存在や環境の変化のお陰で、どうにか気持ちを保つことができました。運がよかったのかもしれないですね。

ただ講師の同時通訳パフォーマンスに憧れて通訳者になりたい、と思った気持ちはずっと自分の中にあったし、それが無くなることはなかったです。自分の原点として、先生への憧れがあるのかもしれないです。

皆さんがもし通訳になる夢を諦めたい、と思う時に考えてみてほしいのは、自分が通訳者になりたいと思った原点と辞めたいと思った理由。両方を見て、どちらに進むべきか考えることが大切なんじゃないかと思います。

 

──帰国子女へのコンプレックスを感じていたんですね。

コンプレックスはずっとあります。無くならないです、たぶん。大学でも留学者がとても多かったので、その頃から海外経験がないというコンプレックスはずっと感じてました。英語を話すのが苦手という意識はずっとあって、だからこそそんな自分でも通訳者になれると思いたかったし、そう思ってやってきました。コンプレックスでもあり、私にとっては努力をする原動力でもあったんです。

もし自分に海外経験があったら、通訳者を目指してはいなかったと思います。海外経験の無い方が、そのことを引け目に感じる気持ちはわかります。でもその気持ちをポジティブな方向に活かしていければ、強みになるのかなと思っています。

 

──(セミナー参加者より質問)自分の成長が見えなくて不安な気持ちになったことはありますか。

アカデミー時代も、仕事をし始めてからもあります。自分は毎日自分のパフォーマンスを見ているから、なかなか成長を実感しづらいと思います。私はアカデミー入学時から修了まで、劇的に英語力が伸びたという自覚はなかったです。もちろん入学時と同じレベルで修了できるわけではないので、自分が自覚していないだけで英語力も伸びていたんだとは思います。

自分の努力を信じることと、短期的にできなかったことをできるようにする、という体験を積み重ねていくことが大切だと思います。例えば、自分のパフォーマンス録音を聞いて、もう一度通訳をやり直してみる。そこで最初にできていなかった部分ができるようになっているのか、なっていないのか。できなかったことをできるようにする。それの積み重ねが自分の自信に繋がるのでは。

 

── (セミナー参加者より質問) 「自分の言葉で語れるようにしなさい」と講師からよく言われるのですが。 

「自分の言葉で語れるように」と言われてしまうのは、もしかして訥々と訳を出しているのではないか、と推測します。通訳は、翻訳のように文字で覚えてそれを言葉で置き換えると、口先で訳しているような感じになってしまう。そうではなくて、スピーカーが言っていることを理解して、自分の中にある言葉で表現すること。文字ではなくて、メッセージを伝えられるように、自分の中にある英語で伝える。そういうことだと思います。

 

◆ サイマル・アカデミー通訳者養成コースについて

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