仏仏辞典を引くのが良いと知ってはいるけれど...

  • 2016.05.09 Monday
  • 11:33
今回は、フランス語通訳者養成コース講師 小林新樹先生によるブログです楽しい
 

仏語が外国語である以上、日本語のような実体感や透明感は無いわけで、単語の仏語による説明はかえって混乱を招くように感じられるかも知れません。それでも引いてみようという意欲が湧くように、具体例を三つ選んでみました。

1)visage
1) Partie antérieure de la tête de l'homme.
2) (Par ext.) Expression du visage.
3) (Par ext.) La personne (considérée dans son visage).
4) (Fig.) Aspect particulier et reconnaissable (de qqch.).

1)〜3)は全て人間の顔が対象で、4)は比喩的用法です。
『小学館ロベール 仏和大辞典』にはこの4つに対応する語義が示してありますが、この語が人間の顔に限られるという注意がありません。日本語では、犬、猫、牛、馬などについても顔と呼ぶことを意識しなかったのでしょう。


2)émotion
Etat de conscience complexe, généralement brusque et momentané, accompagné de troubles physiologiques (pâleur ou rougissement, accélération du pouls, palpitations, sensation de malaise, tremblements, incapacité de bouger ou agitation).

『仏和大辞典』の語義の内、「感動、感激、動揺、興奮」に当りますが、胸がドキドキしたり顔が赤らんだりなど、生理学的反応を伴う意識の状態を指します。但しsens affaibliもあります。


3)formel
1) Dont la précision et la netteté excluent toute méprise, toute équivoque.
(Par ext.) Qui énonce qqch. d'une manière formelle.
2) Qui concerne uniquement la forme. Qui considère la forme, l'apparence plus que la matière, le contenu.

この二つ以外は、哲学、論理・数学、法律上の語義です。
「形式」という日本語が作り出された当初は、formelを「形式的」と訳してピッタリだったのかも知れません。しかし現在では「形式的」が余りに「表面的で無内容」というニュアンスに傾いているため、formelを単に「形式的」と捉えているとズレが生じます。特に 2)は、「(価値判断とは無関係に)形に関わる」と受け止めた方が、誤解の余地が少ないでしょう。

実は不肖小林のホームページに、更にdiscours, ombre, scandale, tentationなどの例と、理論的側面が説明してあります。他にも仏語学習のアイデア満載... という程でもないけど。


小林新樹
サイマル・アカデミー フランス語コース講師
理系修士課程卒。教養課程で第二外国語に選んだ仏語に強く惹かれ、某大学在職中に念願のフランス留学を果した際には、本職よりも仏語学習に没頭。遂に不惑の年を以て通訳への転身を決意し、改めてパリ第三大学に留学。帰国後、逐次・同時通訳として活躍。

旗 サイマル・アカデミーフランス語コースについて

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