ニオイ消しの効能

  • 2010.08.04 Wednesday
  • 12:53

BY三木俊哉


上のタイトルもそうだが、日本語には外来語でもないのにカタカナで書くという、ちょっとした表現法というかワザのようなものがある。その使い手として私が最初に思い出す文筆家は富岡多恵子という人で、彼女はその昔、詩にも小説にもやたらとカタカナを駆使していた印象がある。内容よりもその表記ばかりが頭の片隅に残っている。

 

先だっては、テレビで歌手(ソングライター)のスガシカオがカタカナの歌詞についてしゃべっていた。大学生の女性が彼に質問する。

 

「スガさんの歌詞にはカタカナがよく出てきますが、あれはどういう意味があるのでしょう?」

 

それまで「会社員から音楽の世界に転身した理由は?」とか「歌のタイトルはどうやって決めるの?」とかいった質問に困惑しながら答えていた彼が、このときばかりはよどみなく回答した。

 

「それはニオイ消しです」。

 

たとえば「夜空ノムコウ」という有名な曲もタイトルからしてカタカナだ。たしかにこの人の歌には、富岡多恵子ほどではないにしてもカタカナがよく出てくるのだけれど、「ニオイ消し」というのはとても言いえて妙だと思った。「照れ隠し」にも通じるのかもしれない。

 

もちろん消したり隠したりしすぎるとイヤミになる。ものには程度というものがある。個人的には、富岡さんはカタカナを使いすぎで、スガさんは許容範囲かなと思う(ご両名の作品のほんの一部しか知らない私の勝手な印象にすぎませんが)。でもまあとにかく、「ニオイ消し」と即座に答えられるところがスガシカオはえらい。そんな気がします。

 

余談:この人、30代半ばくらいかと思っていたら、Wikipediaによるともう40を超えてるんだとか。テレビで見ると、とくに若かったです。ニオイを消すと若返るのか? ケソウ、ケソウ。

 

 

プロフィール

三木俊哉 サイマル・アカデミー 英語翻訳者養成コース講師

企業勤務を経て、主に産業翻訳(英日・日英)に従事。

訳書に『アル・ゴアからのメッセージ』、『完全網羅 起業成功マニュアル』

『スティーブ・ジョブズの流儀』など。

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